11, 03. 2017 雪を融かす雪


昨日も日没少し前まで、殆ど陽が射さぬ状態が続いた。時折雪が舞う。アトリエを片付け、ヴァルカンストーヴに蒸発の水を入れた硝子器を載せてあるが乾燥気味なのか、桃の芽吹いた若葉の縁が枯れて来たので処分した。手仕事をして過ごす。午後に入って少し雲が高くなって来たので、浅漬けの素材を買求めに出かけた。

ナナカマド公園を、南へ抜ける。ナナカマドの枝先に、尖った冬芽が見えていた。ナナカマドの芽吹きは早い。時折、雲間から僅かに薄日が漏れる。ツグミの姿を見かけた。色の無い世界では、ドウダンツツジの新芽が鮮やかに見える。ライラックの冬芽も、膨らみ始めていた。






東の沢まで足を延ばす積りでいたが、雪が降り出したのでかなり手前の道を北へ向う。アスファルトが出ている路面に落ちた雪は、直ぐに溶けてしまう。「春の雪は、雪を融かす雪。」という現代華道の作家Mさんの言葉を思い出す。溶けた雪の下から、未だ赤い実を残したベニシタンが現れていた。大分高い雪の壁から、レンギョウも姿を現していた。東のスーパーで野菜を買求め、雑貨を買求めに西のスーパーへ入る。鮮魚店の前に置かれた台に、鮫が無念そうな表情で載せられていた。






家に戻り浅漬けを漬け終わり、写真の整理をしていると、西の空が明るくなって来た。上空は晴れて、西の雲に陽が入る所だった。



昨夜は月が明るかったのに、今朝は曇空。先刻から牡丹雪が降り始めている。夜分に晴れて、日中は曇る有難くないサイクルが続く。