30, 08. 2014 銀杏色付く


昨日も雲なく良く晴れて、気温が夏日となった。プリンターが謀反を起こてカタログの印刷が出来ぬので、最も気に懸かっていた用件を済ませるべく準備を始めた。個展の会期の早い段階で、会場入口に見覚えのある方のシルエットが現れた。逆光でも佳く判った。続いて現れるべき私と同期のお姉さんが中々現れない。接客中だったが席を立って挨拶し、お姉さんはと尋ねた。「亡くなりました。」と予想も付かぬ答えが返って来た。頭の中が白くなり、思考停止の状態になった。お茶を供してお休み頂いたが、何を話したのか殆ど覚えていない。

出来上がったカタログを持参してお参りをと考えていたが、カラログは裏面が未だ刷れていない。此の時期を外すと一層遅れるので、電話を入れて午後に伺う段取りを付ける。生花を買い求め、準備してあった和紙とリボンで花籠を包んだ。仕事に出ない弟にプリンターを修理工場まで運ぶのを依頼する。プリンターを運び込み、弟と別れた。故障箇所は大きな問題ではなく、眼前で作動する様になった。宅配で届けて頂く様に依頼して、修理工場を出る。約束の時間が迫っていたので、タクシーを拾った。初めて通る道だったが、此の道は幌平橋に続くと、運転手が教えてくれた。平岸を通り抜け、子供の頃良く遊んだ孵化場の前を通り、幌平橋を渡る。西へ向い、少し遅れたが友人のお宅に着いた。お参りを済ませ、見せて頂いた死亡診断書で、命日と原因を知る。来年の命日前に伺うことを約して辞去した。

西線の電車で、ギャラリー創へ向う。ギャラリーには、陶芸と織の作家のTさん姉妹の姿があった。2人共妹のMさんの作品と思われる紬の和服姿だった。朝に採った茗荷をディレクターのHさんに手渡し、カタログの必要枚数を尋ねて辞した。通い慣れた道を、地下鉄の駅に向う。ホテルの前のエゴノキは、未だ実を下げ、鴨々川は穏やかな表情を見せていた。中島公園に入り、銀杏の樹を見上げる。雌雄異株の銀杏は、全ての樹に実が生る訳ではない。漸く実の生る樹を見付けた。もう色付き始めていた。







彼方此方廻って疲れたので、真直ぐ家に戻る。車窓から見えていた大きな日が、家並みに沈むところだった。



今朝も雲なく良く晴れている。またプリンターと庭を往復する日々が始まる。