19, 11. 2013 恵みの晴間に


7時過ぎから雨が降る予報が出ていた昨日は、雲が切れて陽が射し始めた。薄暗いよりは、数等佳い。一度目のモデリングを終えて、庭に出る。カーディガンを羽織っただけで、充分暖かい。遠方の友人に送る植物を掘り上げた。クマガイソウが実を付けていたのを思い出し、黒く朽ちた実を切り取った。実は完全に乾いて、稜線に亀裂が入っていた。そっと、実を開く。大きな種子を予想していたが、出て来たのは細く小さな種子だった。




膠の状態が良いので、春に成形した小振のメビウスの輪に陶土入りの礬水を塗り重ねる。戸外へ置く予定なので、風で動かぬ様に厚みを増やすことにした。製作中の大きなメビウスの輪にもモデリングをしようとして気が変わった。この様に暖かい日はもうないと思われ、国道の南へ足を延ばすことにした。モデリングは帰ってからすれば良い。耳掛も毛皮の帽子も不要な程、暖かい。家の東の幹線線道路を南へ向う。跨線橋を渡り、国道へ出た。酪農学園大学の正門から入る。西の白樺並木は葉が落ちて、ヤドリギが見えていた。国道と平行に走る道を西へ向う。西から広がって来た雲間から、広い空間に斜光が流れていた。




道路脇のナナカマドに寄生したヤドリギを見上げる。此処のヤドリギは、団地内のヤドリギと同様、実が黄色い。更に西へ進み、道立図書館の南へ廻る。ズミが実を残していた。ズミの樹に、ヤドリギが寄生している。ズミの実を食べて、原始林ででも食べたヤドリギの種子を置土産にするらしい。実の黄色いヤドリギもアカミヤドリギも、同じ樹に寄生している。







道立図書館の構内に入る。西の黒雲が広がって来ていた。シンジュは葉を落とし、莢だけが残っている。ぽつんと雨粒が顔に当たった。駅を廻って戻る積りだったが、アンダーパスを通って近道をする。中央の沢を渡ろうとして、驚いた。それ程雨が多くはなかったのに、また水が溢れていた。沢の東の遊歩道を北へ戻る。葉が落ちて、沢の西の木立の向こうのアパート群も透けて来得ていた。沢を離れて、住宅街を北東に戻る。収穫が遅れていたインド林檎と四十九号の樹の下に、脚立が置かれていた。愈々収穫らしい。家に戻って間もなく、雨が本降りとなった。






昨夜来の雨が降り続いている。思い切って遠出をして来て良かった。さて、このクマガイソウの種子を。どうにかしなければならない。