11, 03. 2013 春の便り


昨朝は粉雪が、10時を過ぎて気温が上がったのか牡丹雪が降り続いた。洗濯機を仕掛け、水に漬けてあった膠を煮溶かす。人肌に冷めた頃に明礬を加えると、発色を良くする礬水が出来上がる。成形した立体に、ひたすら陶土入りの礬水を塗る作業を進めた。



午後に入って雪は小止みとなり、薄日が射して来た。強い風が時折積雪を吹き上げて、戸外が真っ白になる。数日の吹雪で庭の積雪量が増し、梅の樹の下のシャクナゲはすっぽり雪に埋ってしまった。2時少し前に散歩に出かけた。車道の除雪は済んでいたが、歩道は除雪されておらず、足跡を辿って歩く。空地は地吹雪が歩道を襲っていた。空は晴れているのに、地上は白く煙っている。強い風が積雪を削る稜線が鋭い。立体に曲線の稜線を入れているので、目が行ってしまう。






北東の住宅街を廻り、ナナカマド公園を通り抜けて戻った。家に着くと、細長い小箱が超速宅急便で届けられていた。四谷にお住まいの友人Nさんからだった。小箱を開くと、鮮やかな黄色のミモザ、花が咲き始めたタイム、キャンディやクッキーが現れた。以前東京での個展の会期中にお邪魔した、多摩川に近いお宅の佳く手入れされたお庭を思い出した。桃の花が傷んで、玄関にはポピーを生けてあったので、器を変えて一緒に生け込んだ。写真を撮って添付し、Nさんにお礼のメールを送信した。薄暗い玄関前の廊下が明るくなり、一足早い春が訪れた。



今日であの忌まわしい東日本大震災から2年が経過する。TV番組で様々な特集が組まれていたが、復興は遅々として進まず、故郷の地を去る方々も増えているという。大きな心の傷を負った上に、不十分な仮設住宅での暮しを想いやる。