23, 02. 2013 美術館へ 


先週道立近代美術館学芸員N氏から、開催中の『難波田龍起と抽象美術展』に、1988年制作の作品が展示されているとの案内と、支持体の和紙についての質問があった。近美にボランティアで出向いている高校時代の級友からも連絡があり、暫く会っていないので、近美で落ち合うことにした。出品がなくても、難波田氏の作品を纏めて観る佳い機会なので、会期中に出かけようと思っていた。

東京での個展の折に、もう大分ご高齢であったにも拘らず、何時も経堂のお宅からお出かけ頂いていた。当時は大判の和紙の天地の裏側に長い和紙を貼付け、L字の金具を巻込んで、壁面から10cm程突き出した金具に止める展示をしていたが、痩せて枯木の様な手を壁と作品の隙間に入れて、和紙の状態を確かめておいでだった姿が忘れられない。律儀なご性格が現れた筆致の賀状も、保存してある。久々に会った級友のTさんは、お元気そうだった。詩の様な独特のスタイルが確立される以前の作品が面白かった。会場に展示されている他の抽象作家の大半が、物故作家であることに、感慨を深くした。

展示を見終えて、2階のレストランで昼食を摂る。Tさんは現在三岸記念館の担当とのことで、駅へ向う帰り道に立寄った。此処でも代表作とされる作品よりも、模索している時期の作品が興味を惹いた。彼女と別れ、北3条通りを東へ向う。此の通りは樹木が多く、美術館の帰りに何時も通る道。刈り込まれた街路樹が面白い姿を見せていた。中央分離帯の樫の木に、ヤドリギを見付けた。前日見かけたヤドリギの様に、雪を冠っていた。歩道にはみ出した桜の古木に、冬芽が出ていた。





此の道は、植物園の西で一度途切れ、更に東の道庁の敷地で途切れ、正門前から東へ延びて、豊平川に突き当たる。植物園に沿って北東へ向った。人通りが少ないこともあって、歩道の状態が良く、快適な散歩が出来た。




夕刻、雲が広がって来ていたが、今朝は雲なく良く晴れている。気温は相変わらず低い。寒さは何時まで続くのだろうか。