12, 03. 2012 快晴の中を


東日本大震災から1年目に当る昨日は,TV各局ともに震災の特別番組が組まれていた。朝のニュース番組で,陸前高田からの中継があったが、雪が降りしきっていた。一周年の様々な行事もあるのだろうに、気温が低いのなら、せめて陽射しだけでも射して欲しい。洗濯機を仕掛けて,前日貼り込んだ作品の裏の処理を進める。深い青が中々出てくれない。

2度目の絵具を引いて,乾きを待つ間を利用して散歩に出かけた。1年前のこの日は金曜日で,'08年のポルトギャラリーの上の会場で同時期の個展をお願いした齋藤周氏の展覧会があって、初めての画廊を探していた。雪解けが進んで水溜りが出来た歩き難い道を歩いていたこともあって、家に戻るまでは地震には気付かなかった。居間のテレビに映し出されている映像に、足が竦んだ記憶がある。数日経って広い空が見たくなって,ハルニレの丘へ出かけて,広い雪原に被災地の様子を重ね合わせて見ていた。南へ進んで国道を越える。ヤドリギを寄生させたナナカマドを見ながら,酪農学園大学の敷地に入る。雪の嵩は大分減って,遥か西にシラカバの並木が見えていた。




ロータリーを左へ曲り,東へ向う。頭上を影が過った。少し前方のカラマツに鳥が止まった。良く見ると,アカゲラだった。頻りに幹を突ついている。静かに近付いて姿を写真に捉えた。今冬,初めて出会ったアカゲラだった。





国道に平行して走る道を東へ進む。カラマツに絡んだツルアジサイがすっかり茶色になり、新芽を出していた。




広い玉蜀黍畑の丘の向こうに,ハルニレが見えて来た。突き当りの坂道を上って,仲通を西へ戻る。市の指定木になっているハルニレは、数多くのヤドリギを寄生させ,梢が煙っていた。ハルニレは,葉よりも先に花芽を出して,緑色の小さな花を付ける。煙っているのは、花芽が出ていることになる。ハルニレの根元の雪は高く,北西を見渡すことが出来なかった。緩くカーヴする道を進んで,北海道林木育種場の庭を通り抜ける。何の樹なのだろうか。大きな冬芽を出している樹が数本あった。





住宅街を抜けて,登って来た坂道へ戻る。ハルニレのある仲通まで下ると,北西に原野が広がって見えた。前夜,特集番組で,南三陸町の復興計画の様子が報じられていた。防災センターの屋上まで避難された方々も,津波で流された所。町は高台への移転計画を進めているが,国の動きが遅くて実行には至っていない。計画が実行に移されれば,当座は就労の機会も増えるだろうに。1年ももたもたと何をやっているのかと,腹立たしくなる。




先刻,国道に平行する道を歩いていて,国道から降りる階段を通る人の姿を見ていたので,坂道を降り切り、雪が消えた階段を上った。国道から振り返ると,歩いて来た道が見渡せた。