13, 03. 2012 花のように


階段の地点が国道と線路が交叉する地点。国道を東へ向う。北側の歩道は除雪されて居らず,南の歩道を進む。線路との距離は次第に広がり,樹木が下から伸びて来る。一際高い樹木の梢を見て,一瞬花が咲いているかと思った。青空を背景に、赤い枝が輝くネコヤナギだった。好天の所為もあるが、この様に華やかなネコヤナギには、出会ったことがない。




国道を渡り,北へ向う。煉瓦工場の東角へ出た。歩道と工場の敷地の間に、長い間陣取っていた大きな除雪機が,姿を消していた。東の沢の西の道を北へ進む。沢の樹々の梢も,輝いていた。沢に隣接する小公園の雪は未だ堆かった。枝を雪に捉えられたホウノキの上に,上昇する雲が浮かんでいた。





一夜明けた昨日は曇り空だったが,9時を過ぎて薄紙を剥ぐ様に雲が薄れ,陽が射して来た。明るい内にと,和紙の仕事を進める。乾きを待つ間に,バッグの縫いを進めた。飼い猫のアタローが外へ出して欲しいと仕草で伝える。窓を開けてやると、鼻をヒクヒクさせて様子を伺っていたが,雪に足を踏み出した。昨年12月に寒気と雪が一気に押し寄せ,外へ出ることがなかったので、久々の外出になる。慎重に足場を確認して,出窓の方へ進み,呼んでも戻って来なかったので,暫く放置した。30分程経って,鼻の頭を赤くして戻って来た。




正午前から、また雲が厚くなって来た。和紙の仕事は諦めて,縫いの仕事を進める。一区切り付いた2時過ぎに,不足しそうな両面テープと包装する和紙を買い求めに出かけた。氷割りをする人々の姿が彼方此方でみられた、雪の壁にスコップで刻みを入れてある所もあった。東の沢は、陰鬱な表情を見せていた。沢の主の様なヒヨドリの姿があった。両面テープと前日の青空の様な、セルリアンブルーの和紙を買い求めて戻った。




出かける前に縫い代を固定していたクリップを外し,裏返す。縫い代は,胴の方が高くなる様に,2枚を貼り合わせて胴の方に倒してある。中央部に貼ってある革は,マグネットキャッチを付ける為の,力布の様な役割を果たす。上端を出来上がリ寸法に折り込み,先に出来上がっていた幅広のベルトを取り付け,胴にマグネットキャッチの受けを取り付けた。後は、中袋を縫って,ベルトを左右のマチに表と中袋で挟んで、上端に二重のステッチを掛けると出来上がる。




明けて来た今朝は,弱い青ながら,青空が広がっている。陽の位置が漸く判る様な曇空より青空が佳い。