09, 12. 2011 寒さ厳しく


曇と雪の予報が出ていた昨日も、朝から良く晴れた。前日用意をしておいた大きな荷物を提げ、9時台の電車で琴似へ向う。札幌も東部と中央部は晴れていたが、西へ向うと雲が広がっていた。電車は高架を走るので、西の山並みが良く見える。手稲山は山頂は白く霞んでいた。琴似駅で降りると、雪が舞っていた。駅前で昼食を調達し、タクシーで工房へ向った。

気に懸かっていた粘土に大量の紙を入れて成形した素焼は、割れずに焼き上がっていた。中の紙が焼成で飛んで、驚く程軽い。只、薄く仕上げることに気を使ったので、薄い所は2mmを切って居り、本焼きで崩れるのは自明のことと思われた。これだけ軽くなるなら、作業のし易い厚さで成形しても構わないことが判った。練り込みで着彩してある上から、呉須で色をかけて行く。色の効果も確かめたいので、割れたり歪んだりすることは承知で、本焼きをお願いした。



前回成形した平鉢の糸底を削る作業に入る前に、庭を廻って見た。アケビが未だ葉を残していた。センニンソウも佳い色に枯れた葉を残している。殺風景なアトリエの屋上の縁に蔓を廻し、秋遅くまで花を付け、雪が来ても茶色の葉を見せる有様を、楽しく想像した。沢の樹々はすっかり葉を落とし、黒々と聳えていた。





削りの作業をしていると、手元が明るくなって来た。戸外を見ると雪が止み、西日が差して来ていた。黒々としていた木立が輝いている。着彩を済ませた造形物に上薬をかけ終わる頃、南東の空には白い月が見えていた。地下鉄の駅まで送って下さるK・Kさんと工房を出た。車のフロントガラスに積った雪が、凍り付いて中々撮れない。酷い寒さだった。琴似の商店街で買物を済ませて、電車で戻る。最寄りの駅に着いた頃には、陽はすっかり落ちて、寒さは一段と厳しくなっていた。




昨夜は月が見えて明るかったが、今朝は雪が降っている。アトリエの窓ガラスには氷の華が盛大に咲いて、外が良く見えない。昨年より雪は少ないが、寒さは厳しい様に思われる。