10, 12. 2011 氷の華


朝方雪は降ったものの、前夜半良く晴れて月が明るかったこともあり、昨日は気温がぐんと下がった。夜半に晴れると、冷え込みは厳しくなる。二重戸ながらペアグラスではないアトリエの窓には、一面の氷の華が咲いた。




午前中は雪が降った。風がなく、細かな雪が垂直に落ちて来る。前日の素焼の出来上りで、かなり厚めに成形しても構わぬことが判り、手こずっていた成形物を粘土で補強した。粘土の層が厚くなると、作業は大分し易くなる。午後に入って晴れ間が広がって来た。2つの展覧会を観て、明日が誕生日の弟へのプレゼントを買求めて来ようと、札幌へ出かけた。何時もは何か手作りの物を贈るのだが、今年は陶の作業に追われて時間が取れない。札幌駅から地下鉄で北へ向う。テンポラリースペースで開催中の吉増剛造展「石狩河口/座ル」ふたたび を観た。細長い薄手の銅板に、無数の点が穿たれ文字が彫られていた。吹き抜け天井から吊られた銅板は、裏へ廻ると穿たれた穴から光が漏れて見える。勝れた表現の言葉の持ち主の銅板に文字を刻む作業は、横溢するエネルギーを感じさせた。下は、朱文字で書かれた案内状。



札幌駅北口近くの画廊で開催中の、「響きのかたち」という2人展を観に南へ向う。交通量の多い街中を避け、少し回り道をして北大構内を歩いた。北12条の銀杏並木は葉を落とし、黒々と聳えていた。良く見ると銀杏を付けている樹もあった。道の両側に続く銀杏に目を走らせる。全く実を付けていない樹も多々ある。昨年秋の終りに、歩道に実が落ちて踏まれ、異臭を放っていたのを思い出した。





突き当りの道を南へ向う。3時前なのに、陽が傾いて行く。クラーク像の傍のカシワが、未だ枯葉を樹に付けていた。陽の位置が低くなり、ハルニレの向こうに夕映えが出始めた。クラーク会館の東横から構内を出て東へ向う。蕎麦店の西の壁に、薪が積まれていた。入ったことのない店舗だが、美味しい蕎麦を出す店の様に思われる。画廊に入ると主催者のお二人の他に、友人の作家Tさんの姿もあった。春以来の再会。間もなくK・Kさんも見えて、お二人に紹介した。シャープな動きを見せるSさんの作品群と柔かな即妙な動きを見せるTさんの作品群は、佳い呼応を見せていた。






昨夜のニュースでは、本州でも10箇所で降雪があったと報じられていた。喜茂別は-25度だったとのこと。今冬は寒さが厳しい。