06, 04, 2011 ヤドリギの実


昨日は、日本列島の殆どが快晴の一日となった。地震津波の被災地は、僅かずつながら新たな暮しを取り戻す動きが出始めているが、福島原発は進展が見られない。陸地のみならず海洋汚染まで引き起し、農業、酪農と漁業に多大の損失を強いている。

陶筥から削り取った磁器粘土に水を加えて馴染ませてあったものを練上げた。少し水分が多過ぎて柔らかめなので、平板にする作業を見合わせた。昨年バッグを作った残りの紺色とターコイズブルーの革を取り出す。何れも細く切って、メッシュにして帽子のトップにすることにした。革が無駄にならぬ様、トップの型紙を簀の子に貼付け、不定形の作業部分を作成した。少々手間取ったが、何とか準備が整った。

1時半過ぎに散歩に出かけた。四方を見渡しても、全く雲がない。冬の間中耳を保護していた耳掛を初めて掛けずに出て来たが、冷たくはなかった。久々に、国道の南を廻ることにした。国道を越えて、酪農学園大学の正門から南へ向う。道路脇の雪の山が減って、見晴らしが良くなっていた。東西に走る幹線道路を西へ進む。正門前の通りから見えていたシラカバの並木は、梢に量感が出て来ていた。




西の平地では、雪が融けて黒く地面が現れていた。温室の入口が開いていて、中で作業をする方の姿が見えた。作付けの準備をされているのか、福島の農家の方々の苛立ちが頭を過った。




国道から通じる道路の角に、背の低いナナカマドに寄生したヤドリギがある。この角だけ雪が融けて、樹に近付くことが出来た。目立たぬ花が未だ付いていた。樹の根元には、鳥が食べ散らかした実が散乱していた。ナナカマドの実に混じって、ヤドリギの実があった。拾って持ち帰った。中の1つの実からは、緑色の種子が覗いていた。摘むと長い糸を引く。この糸は粘りが強く、強靭で切れることはなかった。鳥の排泄物が種子を樹に固定するのかと考えていたが、どうやら種子を包む粘液質の皮膜が、樹に付着する役目を果たすらしい。明日工房へ出かけるので、種子を持参しようと思っている。




道立図書館の南には、アカミヤドリギがある。そちらも廻って見ることにした。数多くの松毬を付けたカラマツの大木は、梢が量感を増して松毬が余り目立たなくなって来ていた。図書館前の通りを渡り、南の雪原へ入る。多くのヤドリギを寄生させたズミの樹の周囲は、大分雪の嵩が減っていた。埋らぬ様に足で雪を踏み固めながら近付いた。ズミの実は落ちていたが、ヤドリギの実は落ちていなかった。アカミヤドリギの実は、秋に手に入れることにしよう。通りへ戻り、図書館の敷地へ入った。






以前此処を通ったのは2月の末だったが、大雪で春が停滞していたとは言え、すっかり春めいていた。雪の嵩がぐんと減って、樹木に所々名札が付けられていることが判った。名札を探しながら北へ向った。