28, 01. 2011 丘の上のハルニレ


朝方少し見えていた雲が消え、昨日は快晴となった。今年に入って、最もすっきりと晴れ上がった。眩しい陽光が入るアトリエで本を読んでいると、時折素早い影が走る。梅の木に刺した林檎にヒヨドリが飛来する影。絶えず周囲を警戒しながら林檎を啄むヒヨドリは、人の姿が見えていても動じない。只動くと素早く逃げる。動体と音に過敏であることが判った。

今日は買物で札幌へ出かける予定で余り歩けないので、天気は良し、長い距離を歩こうと、1時半過ぎに家を出た。最高気温が-3度と報じられていたが、風もなく、日向は暖かかった。国道の南を廻って来ようと、南へ向う。歩道にナナカマドの実が落ちている。見上げると、向い側の街路樹に、ヒヨドリの姿があった。




跨線橋を越え、国道を渡った。歩道を東へ進む。国道との境の雪の壁は、2m近くあって、車の往来は気にならなかった。ナナカマドに寄生したヤドリギは、雪を冠って重そうだった。未だ実は大分残っていた。南西の山の上に白い雲が見えていた。





国道と平行して走る道を東へ向った。ツルアジサイが、青い空と良いコントラストを見せていた。冬芽も膨らんでいた。小高い丘の上に、ヤドリギを数多く付けたハルニレが見えて来た。刷毛で掃いた様な細い雲が浮かんでいた。





坂道を上り、仲通を西へ入る。道の北側には大量の雪が押し出され、ハルニレの幹は大分埋っていた。大きく枝を広げた樹を見上げる。此処からの眺めを期待していたが、雪の山で遮られているので、もう少し西へ上って南へ曲がった。視界が開けて、北西の山々が見渡せた。北東には、白く雪を冠った山々が輝いて見えた。南西の山並みには、白く輝く雲が見えていた。







南北に走る坂道へ戻り、坂を下る。突き当りは線路だった。西へ向い、国道へ上る階段へ出た。人が通った形跡はあったが、道の北側の歩道は除雪されて居らず、1m近い壁を登らないと階段に辿り着けないことが判った。南を振り返ると、ほぼ正面にハルニレが見えていた。運動能力の限界を超えていたので、無理をせずに東へ進んだ。



線路の高架工事が終盤に近付き、野幌駅へ向けて無機質なコンクリートの帯が続いていた。この工事が完了すると、団地と国道の南は、彼方此方で往来可能になる。白樺通りのアンダーパスを目指した。