23, 09. 2010 モンジュイックの丘


地下鉄の駅に戻り,先刻とは異なる路線で,モンジュイックの丘の麓の駅で降りた。地図ではフニクラという乗物で,丘の中腹にあるミロ美術館へ行けることになっている。山腹を登る登山電車をイメージして,一旦地下鉄の駅を出た。丘を見上げても,それらしきものは見えない。薬剤店があったので,入って乗り場を尋ねた。薬剤店を多用するのは、英語を話せる店主が多い為。フニクラの乗り場は,地下鉄の駅の中と教えられ、地下鉄駅に戻った。注意深く表示を探す。乗って来た路線の更に奥に,乗り場がある事が判った。チケットを買求めてホームへ下りた。ホームには斜めに造られた車両が入っていた。動き出した車両は,ずっとトンネルを走る。漸く陽の光が見えたと思ったら,其処が終点だった。駅を出て,ミロ美術館へ向おうとして気が変わった。空が大分晴れて来ている。もう一つの乗物であるケーブルカーに乗って,山頂から青い海が見たくなった。山頂へ登るケーブルカーの乗り場へ向った。一直線に登るケーブルカーではなく,途中で方向転換して登るものだった。視界が開け,街並の向こうに海が見えた。山頂には,モンジュイック城があった。城の部分が最も高い位置なので,城門を潜って海側の城壁へ向った。前日程強い青ではなかったが,海の青を充分満喫出来た。







再びケーブルカーに乗って、中腹に戻る。バス通りに沿って5.6分歩いた位置に,ミロ美術館があった。入口にはチケットを求める為の行列が出来ていた。白い瀟酒な美術館だった。ファサードは壁面が多かったが,展示室はゆったりして、様々な方向から外光が入っていた。青は特に影響を受け易いが,他の色調も自然光の方が輝いて見える。美術館は斯くあるべきと思った。





フニクラから地下鉄に乗り換え,カタルーニア広場へ戻った。突然雨が降り出した。運良くアーケードのある建造物の傍で,アーケードに駆け込んだ。叩き付ける様な強い雨。アーケードは雨宿りをする人々で混み合った。15分位降って,雨は上がった。土産を物色しながらランブラス通りを南へ向う。カテドラルの広場へ戻った頃には,すっかり晴れ上がっていた。広場のレストランは混み合っていたので,朝に見かけた市場で,レストランでは2人前以上でないと注文出来なかったパエリャを求めて戻った。バレンシアの市場で求めた無花果の残りをサラダ代わりに食べた。





一夜明けた帰国の日は,朝から快晴だった。チェックアウトを済ませ,トランクと空のボストンバッグをクロークに預かって頂き,カテドラルとその南の王宮をゆっくり眺めてから土産の調達に出かけた。ライエタナ通りを北上し,カタルーニア広場の北の商店を物色,気に入ったものが無かったのでランブラス通りを南へ向い,前日見かけたレザーのコートと手袋を買求めた。カテドラルを見ながら屋外席でビールを飲んで,ホテルへ戻った。土産物をボストンバッグに詰め、タクシーを頼んだら,何処迄かと問われた。カタルーニア広場迄と答えると。近過ぎて来ては貰えないと言う。空港迄の料金を尋ねたら、余り高額でもないので、空港迄タクシーを依頼した。バルセロナからロンドンへ飛び,成田経由で戻った。長い長い,フライト時間だった。




朝夕の気温が随分低くなって来た。昨日は,大雪山系に初雪が降ったと報じられていた。秋は駆け足で進行している。