24, 06. 2010 モチツツジ


会期も半ばを過ぎて、後半に入った。昨日は雨の予報が出ていたが、日中は晴れ間もあって、閉廊間際に雨が落ちて来た。蒸し暑い一日だった。

庭では最後に咲く、モチツツジが咲き出した。父が鉢植にしていたものを地植えにしたもので、背丈が低く横広がりの姿となっている。淡い色ながら反り返る花弁と、長く突き出るしべが華やかな花。モチツツジの代表的な園芸種の花車という種。




柔かな葉の陰で、セッコウボクが小さな花を付けていた。やがて花よりも大きな白い実を付ける。最も発芽が遅いサギソウの芽が出揃った。昨年囲んである石の際の株を、ポッカリ空いた中心部に移し替えたので、ほぼ均一に芽が出て芽数も増えた。華麗な姿の花が愉しみ。




かなりスリリングが乗り換えながら、円山公園駅から出るバスに間に合う電車の時間が分かり、3日ばかりバスで“通勤”している。家にある切り花の活性剤は大きなボトルに入っているので、会場のバイカウツギの為に小分けになった活性剤を求めようと、一つ前のバス停で降りて園芸店に立寄ったが、入手出来なかった。周囲は広い庭のお宅が多いので、扱っている品種がかなり多い園芸店。



昨日は来廊者が少なく、持参した本を読んで過ごした。晴れ間の出た午後、外へ出てみた。玄関前の植込みで、ムラサキツユクサが開いていた。ジージーと、アブラゼミの様な鳴き声を出す鳥が、電線に止まっていた。画廊前の大きなクルミの樹に、実を見付けた。先端に花弁が朽ちた様なものが見られるので、花後の実と思われる。クルミの西側の大きな樹には、赤い実が沢山付いていた。実に凹凸がある様に見える。PCに落としてみると、やはり凹凸を持った実だった。子供の頃、庭の外れにあったクワの実に似ている。今日、閉廊間際に旭川から戻られたOさんに伺おうと、愉しみにしている。








最後の来廊者は、思いがけない方だった。全く存じ上げない方で、来廊者には珍しく、ビジネス スーツをお召しだったが、空間や作品と佳い反応をお示しだったので、お休み頂いた。会話の反応も、一般のビジネスマンとは全く異なる。暫く話して、名刺を下さった。大手の印刷会社の北海道支社のアイデアセンターのプロデューサーの肩書きがあった。

動画を始めたのは、2000年の初めだったが、その契機は新聞の囲み記事で見付けた電子ペーパーなる代物で、この印刷会社が開発したものだった。伝統的な和紙と時代の先端を行く2種の紙で、展覧会をしたいと思ったのが始まりだった。Netで検索し、何度かメールで質問をして来ている。当初の予定よりも開発は遅れ、やがて薄型TVの普及が始まり、当分は市場に出て来ることはないと読んで、過渡期的にTV受像機を再生画面として使用しているが、本来望んだ姿ではない。以前、曲面が得られるかとの質問に、基底部にガラスを使用しているので、現段階では無理とのことだったが、昨日同じ質問をしてみると、可能とのこと。10年来の夢が可能になるかも知れない。今回の個展では、不思議な巡り合わせが良く起きる。


モチツツジ Rhododendron macrosepalum ツツジ