25, 06. 2010 ネバリノギラン
花序を上げていたネバリノギランが開き始めた。開いたとは云え、花弁が反り返らず、袋状になっている花。虫媒花ではないのかと、何時も不思議に思う。名称通り、花は強い粘りを持っている。
最上部の写真の後方にも見えているが、庭のあちこちでシコタンハコベが咲き出した。背丈は10cm弱、白味を帯びた葉は少し厚みがあり、群生する。
前日閉廊時間から降り始めた雨が降り続き、昨日は初めて傘をさして出かけた。途中で2件の雑用を済ませて画廊に着くと、既に若い作家がOさんと会話中だった。テンポラリー スペースのブログで、作品の在り様を知ったMさんだった。大柄な方を想像していたが、小柄で強い目の光をたたえた作家だった。慎重に言葉を選んでの話し振りが好ましく、佳い会話が続いた。
雨は程なく上がり、僅かに薄日が射し始めた。古くからの知り合いの作家Mさん、やはりテンポラリー スペースのブログで活動の様子を知った初対面のK氏が加わり、佳い時間が過ぎて行った。
初日にお見え下さった写真家のMさんが、お連れとご一緒に見えたのを潮に、2時間近くの話の輪が解けた。見送った玄関先で少し立ち話が続いて会場に戻ると、お連れは、ここ数年、消息が掴めなかった旧い友人の華道作家であることが分かった。少しおやつれが見えたが、テンポの良い話し振りは変わらなかった。創作を軸にした会話は、楽しい。暫くの空白期間は直ぐに消え、以前と同じ調子で会話が続く。きっとまた、発表活動を続けられるだろうことが、予測された。
お二人がお帰りになられて、すっかり晴れ上がった戸外へ出た。画廊の前のクルミの根元には、白いノバラが咲いていた。面白い形をした樹の葉を見付けた。まるでマスクの様な表情を持った葉。
画廊の隣には、かっては住居が建っていたと思われる空地がある。小砂利が敷き詰められた地面には、ヒメジョオンや様々な野草が出ている。少し葉の色が悪かったが、オオウバユリもあった。蕾を付けていた。空地の西隣のお宅の庭で、初見の花を見付けた。葉はヤグルマソウに良く似ているが、花が赤味を帯びている。何の花なのだろうか。
5時を過ぎても、会場には光が射し込んでいた。床から立ち上がった嵌め殺しの窓からは、美しい緑の苔が見えていた。
帰りの電車からは、壮大な夕焼けが見られた。今朝は良く晴れている。天気予報では快晴が続き、最終日は30度の気温が予報されている。暑い終盤となりそう。
シコタンハコベ Stellaria ruscifolia ナデシコ科
ネバリノギラン Aletris foliata ユリ科