09, 04. 2010 呉須の階調


朝から良く晴れた昨日、K・Kさんの工房へ出かけた。持ち手を付けるタイミングが掴めず、何度かやり直した水差しと陶筥を焼いて頂こうと思っていたが、荷造りをしてみると嵩張って大きくなり、陶筥は後日に廻した。電車が琴似駅に近付くと、札幌の西に連なる山々が白く輝いていた。何時もの様に南を目指す。街路は完全に雪が融けていたが、庭の日陰や空き地には雪が残っていた。

工房のお庭も、未だ雪が残っていた。谷底の小川の流れは、雪解け水で勢いが良かった。デッキに数多く並ぶ鉢物は、発芽が始まっていた。戸外で冬を越した、イワナンテンの葉が、佳い色を見せていた。




昨日から窯を焚いておいでだった様子で、次々と窯から焼き上がった作品が取り出されて来る。前回釉薬をかけたカップやポットも出て来た。ポットは、釉薬が厚くなった部分が変色していた。花を生けるのには支障がないので、花瓶代わりに使用しようと思っている。右奥は、素焼をお願いした水差し。カップに施した呉須は、イメージに近い青の階調を見せていた。





帰りがけ、K・Kさんに車で送って頂いて、MIXY友のI さんのお宅にお邪魔する。長い準備期間を経て先月発売に漕ぎ着けられた、I さんの歌集や詩がベースになった、及川恒平氏の「地下書店」というCDを譲って頂く。つい先日、I さんが日記に載せておいでだった豆本を見せて頂いた。指先で摘める程の小さな本。中の木村環さんの密度のある作品が、手作りというしっかりした本装幀で、外箱に納められいる逸品。他に3冊の豆本も楽しく見せて頂いた。



買物に出かけれるI さんと一緒に、地下鉄駅に繋がる巨大な商業施設へ向う。以前はプールだった跡地に出来た施設。地下鉄への連絡路を教えて頂いて、I さんと別れた。地下鉄を乗り継いで駅に向う。帰りの電車の車窓からの夕陽は見事だった。最寄りの駅に着いた頃には、大分陽が傾き、バスから降りて家に向う頃には、家並の間に沈んで行くところだった。



先刻南東の空に細い下弦の月が見えていたが、明けて来た空は曇り空。フクジュソウも期待程には開いていない。