18, 06. 2010 チョウジソウ


搬入日の昨日、和紙の作品なので雨を心配したが、降らずに済んだのは幸いだった。早朝からハプニングに見舞われたが、搬入作業は順調に進んだ。

チョウジソウが青く小さな花を開き始めた。しっかりした躯体の頭頂に付く花は、小さく儚げに見える。三箇所に増やしてあるので、暫くは青い星を楽しむことが出来る。



今朝庭に出てみると、雨や搬入作業に追われて見ぬ間に、ゼンテイカが開き、萎んだ花の跡をぶら下げていた。夏花は動きが速い。バイカウツギが開き始めていた。会期に丁度間に合った。




10時前に見えたO氏と、サイズの大きな作品と裏打ちのボードを貼り合わせる作業を進めた。手慣れた方との作業は、道具の使い方等、面白い発見があって楽しい。午前中に作業を終え、昼食後搬入に出かけた。O氏が連絡を取って下さったお手伝いの方も既に見えていて作業は滞りなく進んだが、作品数が多いので、狩猟したのは5時を過ぎていた。空間に佳い流れを作れたと思う。

思いがけず、工房のK・Kさんが、過日お願いした本焼きが出来上がったものを、既に届けておいて下さっていた。水差しも割れずに、無事焼き上がっていた。陶筥も3つ焼き上がっていた。少し迷ったが、画廊主のOさんに、2階の空間の一番奥の窓下にある棚に並べたいと申し出た。陶筥を取り出していると、Oさんが2階の奥よりは此処が良いと、手を引く様に誘う。何と入口直ぐの、煉瓦壁の前に設えられた、緩くカーヴを描く白い棚。言わば手遊びの代物なので、ひっそりと奥にと思ったのだが、Oさんが1つ陶筥を運んで、棚に乗せられた。壁の押さえた色合いの前の白い棚に、しっくりと収まった。少々気恥ずかしいが、此処に置くことにした。






Oさんから、思いがけない申し出でがあった。会期終了後の7月3日、4日の両日、このギャラリー空間で、及川恒平氏とウォン・ウィンファン氏のコンサートがあるので、最終日に作品を撤去せずに、コンサートの翌日に搬出しては貰えまいかというもの。春に発売された「地下書店」というCDは、このお二人のデュオで、友人の糸田ともよさんが、作詞をされている。2007年のテンポラリーでの個展の折には、ずっとウォン・ウィンファン氏の「九寨溝」を流して頂いた経緯もある。あの澄んだ音色を作品に染込ませて頂くのは、嬉しい申し出でだった。

地下鉄の液迄送って下さるというOさんと、画廊のお手伝いをされているHさんと一緒に夕暮れが始まった戸外へ出た。ギャラリー前の木立の中に大きなホウノキがあって、咲き残りの白い花が1輪見えた。


ゼンテイカ Hemerocallis dumortieri var. esculenta ユリ科
チョウジソ Amsona eliptica キョウチクトウ科