30, 04. 2010 珍客


朝方見えていた青空に雨が上がることを期待したが、雲は厚くなって降り出した雨の中を昨日K・Kさんの工房へ出かけた。琴似駅に着いた頃、雨は上がって傘をささずに済んだので、何時もの様に南へ歩き出した。道程の3分の1程進んだ所で、猛烈な南風が吹き出した。身体を前傾させても前に進めない。折よく通りかかったタクシーを捕まえて、工房へ向う。

工房裏手の沢も雪がすっかり融けて、緑が芽吹いていた。予定していた作業量が多いので、早速作業に取りかかる。少し蓋の座りが悪く出来上がった陶筥にヤスリをかけ、釉薬が不要な底や蓋と身の接する部分に、撥水剤を施した。作業中にK・Kさんが後を通りながら肩を叩かれたので、指さされた方を見ると、2羽のマガモがデッキにいた。硝子戸を開けても逃げることもなく、K・Kさんを見上げている。お目当ては、手に持たれているパンの切れ端だった。小さく千切って投げられるパンを、雌鳥が啄む。雄鳥の方へも投げられるのだが、雄鳥は啄むこともなく、周囲を見回して雌鳥を見守る徹底したナイト振りには驚かされた。高い樹の上には、カラスが飛来していた。手にされたパンの切れ端を殆ど雌鳥が食べ尽くし、最後の切れ端を雄鳥の方に投げられると、雄鳥はそれを啄んで、2羽で下の流れの方へ飛んで行った。入れ替わりにカラスが飛来して、食べ残しの小さな欠片を啄んでいた。ハシボソガラスで、ハシブトガラスよりは少し小型で目が優しかった。





数年前から飛来してパンをねだる様になったとのこと。5月には姿を消すことを教えて頂いた。持参した昼食を食べていると、良い匂いがしてきた。K・Kさんが薪ストーヴからアルミホイルに包まれた焼き芋を取り出して下さった。持参した昼食を残して、熱々の焼き芋を戴いた。昼食後陶筥の絵付けをする。白地を生かした軽い感じに仕上げた。昨日焼成をお願いした小振りの2つの陶筥を、強い感じに仕上げたいと思っている。写真は絵付けが終った身と蓋。透明釉をかける為のクリップ。透明釉をかけ終えた陶筥。





思いがけず、轆轤で引いた平鉢と深鉢の素焼が出来上がっていて、こちらの本焼きの為の準備もした。3時過ぎに、またマガモがやって来て、雌鳥が硝子戸から中を覗いている。しっかり“お八つ”を食べて、水辺へ飛んで行く。入れ替わりにハシボソカラスが飛来して、“お掃除”。何とも長閑な情景だった。作業を終えて。お庭に出てみた。もうエンレイソウは大分伸びて、花を開いていた。ニリンソウも開き始めている。エゾエンゴサクもあちこちで咲いていた。K・Kさんがエゾエンゴサクを掘り上げて下さった。嬉しいプレゼント。大切に育てたい。マガモは、人の姿に逃げることもなく、お庭を歩き廻っていた。






昨日来の雨が小止みになって、今朝は朝焼けが見えている。晴れ間をみて、エゾエンゴサクを植え込みたい。先日庭中にクロッカスが咲いているお宅があったが、エゾエンゴサク花のあと地上部分が消えるので、沢山増やして、春早い青い庭を楽しみたいと思っている。