03, 04. 2010 ヒスイカズラに出会った


雨なら制作も進みが悪いからと、ヒスイカズラと出会う為に北海道医療大付属薬草園に予約を入れたが、昨日は良く晴れた。仕事が出来る日に取っておきたい様な晴天。アトリエに充分陽射しが差し込むのを見越して、厚手の和紙にたっぷり絵具を施してから出かけた。9時40分に最寄りの駅を発って札幌で現在は学園都市線と名称が変わった札沼線に乗り換えた。もう40年以上も以前に、当別より更に奥にあった母校の中学と高校の分校に、依頼されて2年程教えに通ったことがある。Googleのマップも調べたし、札沼線は覚えがあるからと、気楽に出かけた。

乗り換えた列車が札幌を離れ、函館本線から別れると、様相はすっかり変わっていた。札幌から2つ目の駅と3つ目の駅の間に、新たな駅が2つも出来ていた。車窓からの風景も、すっかり様変わりしていた。個人の住宅と大きなマンションが切れ目なく続く。当別までに、新たな駅が6つも出来ていた。石狩川を越えた辺りから、広い雪原が広がったが、以前とは比べ物にならぬ程、住宅の数が増している。電車は当別が終点で、目指す医療大学へは、列車を乗り継がなければならなかった。30分も待って、漸く1両編成の電車が動き出した。着いた駅は、鉄道員のいない駅で、切符は運転手に渡す仕組になっていた。到着時間は11時20分。1時間半もかかったことになる。前日、旅の旅程とホテルを決め、係の方にメールを入れたが、AVEという列車に乗ると、マドリッドからコルドバ迄、1時間40分程で着くことが分かったばかり。ヤレヤレナンテコッタという感じになる。駅から続く渡り廊下を通り、大学の玄関に着いた。事務室を見付けて用件を述べると、2人の女性が薬草園まで案内して下さった。温室は入り組んだ建造物群の奥にあり、裏には山が迫っていた。係の方を呼んで下さり、温室の中へ招じられた。どうやらお二人は、私が示した写真をご覧になって、ヒスイカズラをついでにご覧になりにいらした様子。入口直ぐに天井迄のフェンスに巻き付いたヒスイカズラは、想像以上のものだった。道中の不満は吹き飛び、陶然と眺めた。






高いファエンスに巻き付いたヒスイカズラは緑の壁を作り、長い花房を垂らしていた。下の花房が色付き、蕾を付けた花房が沢山あった。早く開花する下の花房の方が長かった。何時も制作時に苦労するが、陽の当たり具合で、色は様々に異なって見えた。蕾から開花したばかりの花が、緑色を強く帯びていた。薬効をお尋ねしたら、ないとのご返事だった。花の跡に大きな実となるらしく、写真がファエンスに添えられてあった。お話を伺っている最中に、花が1輪落ちた。直ぐに拾われて水をかけ、入口の傍のボールに入れられた。2日位は持つからと、密閉のファスナー付きのビニール袋に2輪入れて下さった。思いも寄らぬ嬉しいプレゼントだった。開花した花は、段々色が浅くなって落下するとのことだった。





何時も出かける札幌の植物園の温室よりは規模の小さな温室だったが、植物の手入れは良く行き届いていた。葉の緑の勢いが全く違う。他の植物は、明日の日記に纏めて載せたい。昨年動画の為に、アジサイから自然の青のサンプルを作ったが、今回のヒスイカズラから沢山の青のサンプルが作られる。出来ることなら、自然の色で動画を創りたいと考えている。