02, 04. 2010 根開け


前日よりも一層暗くなった昨日は、正午前から小雨が降り始めた。朝方シャクナゲとウメの根元の地面と少し離れたクロフネツツジの根元の地面が繋がったが、雨で露出した地面は大きく広がった。一昨日の夕刊に、現在東京国立近代美術館で展覧会が開催されている小野竹喬の「宿雪」の作品写真が載り、その解説に、日光で暖まった木々が雪を溶かす現象を、「根開け」というと記されていた。この根開けは、最も早く現れる春の兆しかも知れない。現れた地面の辺りには、エビネ、エゾルリソウ、シコタンハコベシラネアオイ、チシマイワブキ、ツクシカラマツ、ハクサンチドリ、モミジカラマツ等をごたごたと植え込んである。この先一月ばかりは、発芽の確認で、一喜一憂することになる。



鬱陶しい天候だったが、今日当別の北海道医療大の付属薬草園へ予約を入れてあるので、少しでも仕事を進めようと、小品に取りかかった。一段落ついた2時過ぎに、雨が弱まって来たので、北東にあるスーパーへ買物に出かけた。距離を延ばす為に、南東の東の沢まで行って、沢伝いに北へ向うことにした。南の一番通りまで向う。一番通りの北側の歩道を歩いて東へ向う。道幅の広い通りに面した南向きの庭を見ながら歩く。藤棚のあるお宅で、小さなフジの実と、膨らんだ芽を見付けた。少し東のお宅では、歩道と塀の間の僅かな隙間に、ずらりとフクジュソウが植えられていた。もう黄色い花びらが見えていた。





更に東のお宅の塀の下に、エゾノコリンゴが沢山落ちていた。木に残っている実は黒く朽ちているが、長い間雪の中で“冷凍保存”されていたので、鮮やかな赤い実だった。




つい先日前を通った折には、歩道側に煉瓦が積まれ始めたばかりだったが、煉瓦工場前の煉瓦はその量を倍以上に増やしていた。工場の東側の道を北へ向う。道路沿いの煉瓦や土管を覆っていた雪は、完全に融けていた。




工場の北側の公園の雪が減って、大分見晴らしが良くなった。過日載せた梢に垂れる実を付けた大木は、実が少し大きくなっている様に感じられた。二番通りを渡り、沢の西側を北へ向う。樹々の根元の根開けが大きく広がり、クマザサが見えていた。




沢の直ぐ傍のお宅のカーポートには、真新しいブルトーザーが置かれていた。付近の雪を沢に押し出すのに、今冬は大活躍だったことと思われる。シジュウカラが飛び交い、梢の一羽を漸く捉えることが出来た。北へ向い、三番通りが近くなった住宅地で、スイセンに蕾が付いているのを見付けた。





買物を済ませ、三番通りを西へ戻る。雨雲が南風で、早い動きを見せていた。前日同様、陽の射さぬ一日だった。



今朝雨は上がって、庭の土の面積がぐんと広がっている。もう一箇所のワサビも現れた。雨の予報だったので薬草園の見学を予約したのだが、分厚い雲の隙間から僅かに青空も覗いている。雨に濡れずに出かけられそう。