02, 03. 2013 冬の温室


弥生三月、俄に春めいたニュースが流れる。満開の梅や、川津桜、春一番の風の映像の一方、雪の重みで倒壊した家屋と、地域差を実感させられる。筒の両端に厚みを加える陶土入りの礬水を施し、今週の作業を終えた。前夜ベッドを動かして出しておいた雛人形を飾る。年に一度の虫干し。

小雪が散らつき始めた1時過ぎに、札幌へ出かけた。買物の前に、少し時期が遅いが、植物園の温室を廻ることにした。道庁の構内を西へ抜ける。植物園の本園は、ゴールデンウィークまで閉鎖されているが、南側の温室は開放されている。退屈そうな受付の方にティケットを渡し、北側の屋根の低い温室に入った。少し時期を過ぎたクリスマスローズを見回る。背丈が高くなる種には、蕾が付いていた。




東奥まで進み、南側の屋根の高い空間を西へ戻る。花期が終盤のゲットウが白い花房を下げていた。紫色のニオイバンマツリ、小型の花を付けたノボタンを見ながら、西の端のパピルスを見上げる。切詰められてしまった植物が散見された。






北側の棟を出て、南西の陶に向う。竹は青い葉を見せていた。もうすっかり枯れて茶色になっているだろうと予測していたウツボカズラに青い実が下がっていた。入口の壁まで生え広がっていた蔓が、すっかり切り落とされ小さくなってしまっていた。次の部屋へ向おうとして、足元の鉢に、赤いウツボカズラを見付けた。何やら毒々しい風情だった。




蘭を見ながら西奥の、大きな空間に入る。此処は多肉植物が多い。大きなウチワサボテンが黄色い花を付けていた。部屋を出ようとして、巨大なリュウゼツランの花が、天井近くまで延びているのを見付けた。





薄暗く時折雪が散らつく戸外に出る。北2条通りのキタコブシを見上げる。分厚い毛の外套を纏った冬芽が開くのは、2ヶ月も先のことになる。