06, 03. 2010 ヤチダモ


漸く雪が融けて路面が出ている所が増えて来ていたのに、雪が10cm余降り積もった。直ぐに融ける淡雪であるのは分かっていても、気が滅入る。姿を現していたツツジアセビが、また雪に埋もれてしまった。この時期の多めの降雪は、“今冬分”の雪が未だ余っていたからと、袋を逆さにして振り撒かれる様な気分になる。

予定外の用件で、午後は2つの役所を廻ることになった。夏に家族とロンドンへ出かけ、新しい家族となった甥の連れ合いの家族と合流する計画は決まっていたが、未だ先のことなので、個展が終わってから考えれば良いと思っていた。旅行客が多い時期なので、チケットを押さえる必要があるらしく、パスポートのナンバーを旅行社に報せる必要があるという。パスポートを調べたら、生憎期限が切れていた。有効期間が10年と延びたので、未だ大丈夫と頭から外していたのが間違いだった。10年が経つのは早い。市役所の出張所へ出向いて戸籍抄本を取り、札幌駅前のパスポートセンターへ出かけた。正面向きの写真がなかったので、写真を撮ってもらい、同じことを何度も記入する詰らぬ書類に記入して手続きを終えたら、3時半を過ぎていた。早く終えたら、植物園の温室でも見て来ようと思っていたが時間がなくなり、道庁の庭を抜けて、植物園の東の道を通って駅へ戻った。




前日原始林から続く沢で見かけた樹に良く似た巨木があった。ヤチダモと名札が付けられていた。家に戻ってから図鑑を調べると、モクセイ科、トネリコ属の植物で、水分の多い地帯に生える植物であることが分かった。建材や野球のバットの材料になるらしい。樹形から想像が付かぬ巨木には、イチョウの名札が付けられていた。すっかり水面が現れた池の傍では、水鳥が覚束ぬ足取りで歩いていた。写真を撮ろうとして、スズメが仲間入りしているのに気付いた。





西へ向って、植物園の正門前の道を北に進む。温室の入口の門は、もう閉ざされていた。正門も閉ざされ、休園中の看板が見える。ゴールデン ウィーク辺が開園の時期になるのだろうか。前回通った折には、シートが掛けられ工事中だった資料館のシートが外され、化粧直しした綺麗な姿を現していた。雪も大分融けて、下草の笹があちこちに見られた。





電車で最寄りの駅に戻る。前日と同様に、駅の両側の針葉樹の林には、夥しいカラスが騒いでいた。バスを途中下車して生花店に寄る。先月アネモネの入手が大変だったので、今月は間違いなく入手出来そうなチューリップにした。デルフィニウムやカスミソウなど、初夏を想わせる花が入っていた。





4色のチューリップと、コデマリウイキョウを買求めて戻った。生花店の中には、ウイキョウの香りが漂っていた。