16, 12. 2009 雪の街


夜半から朝にかけて降雪があり、うっすらと雪化粧した昨日は、最高気温が-4 度と、一気に真冬日となった。朝方の雲が切れて陽が射して来たが、雪は融けない。時間の経過につれて青空が広がり、陽光が雪に反射して、戸外が明るくなった。何時も画材を買求める店の年に2回の売り出しの最終日なのを思い出し、午後から画材を買求めに札幌へ出かけた。

殆ど風がないのに、空気が凍てついて肌を刺す。用心して厚着をして出たので身体は寒くないが、顔が冷たい。襟元のマフラーを引き上げて、顔を埋めて歩く。山が近い札幌の方が、降雪は多かった。車道の雪は消えていたが、歩道には踏み固められた雪が疎らに残って歩き難い。画材店で買物を済ませ、同じ道を戻るのも詰まらないと、西の駅前通りに出たが、これが大間違いだった。人通りの多い駅前通りは、駅前から中心地への地下道の工事で、さして広くもない歩道が、更に狭められていた。人間の渋滞に嫌気がさし、更に西の通りへ向う。この通りは空いていた。余り酷い剪定をされていない街路樹のプラタナスには、沢山の実が生っていた。西に広がる道庁の庭を通り抜けて戻ろうと、南門まで西に進む。鉄柵の間から、雪の上に落ちたプラタナスの実が見えた。南門を入ると、うっすらと氷が張った池が見えた。




正門へ続く道の東側には、大きな桜の並木があった。八重桜のプレートが貼られていた。久々に道庁の煉瓦の建物を見上げる。子供の頃、写生をしたことを思い出した。正門へ抜けようとすると、池の面が揺れている。良く見ると、水鳥が泳ぎ回っていた。






正門を出ると、目の前に真新しいガラス張りの建造物が聳えていた。此処には古い旅館があったことを思い出した。和風の建築のまま、ホテルに改装されていた筈だった。中を通り抜けて、駅前通りに戻る。外観のガラス張りに反して、中はほの暗い建造物だった。斜め前を見ると、駅前の西武デパートに、シャッターが下りていた。シャッターに張り紙があった。9月30日に閉店とのこと。暫く駅前通りは歩いていなかったことになる。此の地には、五番館という煉瓦造りのデパートがあった。明治期の洋館という言葉に相応しい佳い建造物だった。高度成長期に進出して来た西武が、変哲もない大きな建造物に建替えたが、30年程で撤退してしまった。こんな大きな倉庫の様な建造物を、今後どの様に利用するのだろうか。帰りがけに最寄りのJRの駅から中央の沢の東を歩いて戻ろうと思っていたが、日が落ちるのは早く薄暗くなり始めていたので、バスで戻った。