28, 11. 2009 初冬の温室


未だ雪の深い今年の2月に、温室を訪ねていた。クリスマす・ローズが花盛りで、2種のノボタンがあった。1種は昨年も今年も花を見ることが出来なかったシコンノボタンで、花期は終っていた。もう1種は、ピンクの蕾を花序に多く付けたジャワ原産のノボタンで、その後再度温室を訪ねたが、開いた花を見ることが出来なかった。チェンマイ在住の友人O さんが、この種と思われるノボタンの写真を、メールに添付して送って下さったが、その写真のノボタンも、蕾の状態だった。

夕刻の植物園は、閑散としていた。温室へは南にあるの門から入る様になっている。葉も実もすっかり落とした柿の木を見ながら温室の入口に向った。中へ入ろうとしたら、入口にある券売機を開いてらした受付の方に、温室は3時半で終了で、あと20分程しか時間がないと云われた。2棟ある温室の1棟を見られればと思い、入室したいと云ったら、時間が短いからと、フリーパスで入れて下さった。

一番手前の北側の小部屋を覗いたが、クリスマス・ローズは時期尚早だった。南の主温室に入る。前回訪ねた折とは、少し植物の配置が異なっていた。南の端に、ピンクのノボタンを見付けた。未だ咲き始めながら、球形の蕾が開いているものがあった。同じ株に赤味の強い花序もあり、開花が近付くにつれて、色が淡くなることが分かった。名札には、メディニラ スペキオサと記されてあった。





シコンノボタンを探す。レモンの様な実のキミノバンジローという名の木があった。小さなブルーの花を付けた、クマツヅラ科のブルーウィングという花に惹かれた。




シコンノボタンは、主温室の東の奥にあった。もう少し盛りを過ぎていたが、数輪花を付けていた。昨年枯れかかり、漸く芽を吹いた鉢植のシコンノボタンは、徒長気味の枝を伸ばし、先端に花芽を付けていた。3週程前、未だ戸外に出してあった鉢に、アタローの“宿敵”の大きな黒とグレーのトラ猫が、両前足を掛けてアトリエを覗き込んでいた。直ぐに外へ出てみたが後の祭り。2本の枝が折られて地面に落ちていた。以前挿し木をしたことがあるので、水切りをして植物活性剤を入れた溶液に入れてある。久々に目にする艶やかな紫色の花だった。






西へ戻って温室を出ようとしたら、何やらぶら下がった太いチューブの様なものにぶつかりそうになった。先端には肉厚の赤い花。見上げるとバナナが実っていた。バナナの花を見たのは初めてだった。




入口で受付の方にお礼を云って外に出た。南へ向い、大通公園を東へ向う。テレビ塔近くの店で、糸とミシン針を調達して戻った。4時前なのに、すっかり薄暗くなっていた。