04, 10. 2009 色付く実


中秋の名月の昨日は、午前中は雲が多かったが、時間を追うに従って良く晴れ、大きな月が見られた。気温も20度を上回って、暖かかった。在札の方々のブログに、雪虫の話題が載り始めているが、未だ当地では出会っていない。雪が来る前に数多く現れる、羽根のある蟻で、胴の部分に白い綿毛が生えている。数多く現れるが、小さく弱い虫で、衣服に当たるとそのまま果ててしまう。雪の季節の前の風物詩となっている。

明日、小学校からずっと一緒だった級友の招きで小樽へ出かける予定なので、彼女のお庭にない植物を持参しようと、鉢底に入れる粗い土を求めに、近所迄出かけた。家の斜め裏のお宅のイチイの生垣に、真っ赤な実が鈴なりだった。子供の頃、口に含むと、周囲は甘みがあるが、中心の緑色の種が恐ろしく渋くて、それ以来口に入れたことはない。2006年、2人展でパリに2週間余滞在した折に、パリ郊外のヴェルサイユ近くの豪壮な別荘が建ち並ぶ村を歩いた。白亜の建物が美しい広大な別荘は開放されていて、整備された庭園の随所にベンチが置かれてあった。大きなイチイの樹があった。日本のイチイの樹とは異なり、枝は剪定されて居らず伸び放題。下の方の枝は伸びて垂れ下がり、何れも地面に着いているのが面白かった。旅に同行してくれた現在は福岡在住の大学時代の級友が、懐かしかったのか口に含んだ。多くの園丁の方々を指揮してらした、上背の高いワイシャツ姿の男性が近付いて来て、「その実は食べない方が良い。」と英語で話しかけて来た。広大な別荘の当主だった。南方に位置する庭園の見学を薦めたので、観て来たばかりであること、以前観たローマ郊外のヴィラ・アドリアーノを思い出したと答えたら、満足げに頷いて、この別荘は、IOCの会合にも使用されたことがあると、話してらしたのを思い出した。




白樺公園手前のリンゴの実も、色付いていた。インド林檎は、色付き始めたばかり。奥のリンゴは、すっかり色付きが進んでいた。子供の頃、四十九号と呼ばれるリンゴがあったが、そのリンゴに似ている。





帰り道、別の道筋を通ったら、ニシキギが真っ赤に燃えていた。棲む人が去り、家も取り壊された空き地には、セイタカアワダチソウマツヨイグサに混じって、以前の住人が植えられたと思われる、タカノハススキの大きな株が見られた。






イチイ     Taxus cuspidata イチイ科 別名 オンコ アララギ
タカノハススキ Miscanthus sinensis Zebrinus イネ科 別名 ヤバネススキ
ニシキギ    Euonymus alatus ニシキギ
リンゴ     Malus domestica バラ科