09, 06. 2013 訃報


昨日も終日晴れて、初夏の日射しが照り付けた。教室の前に植物に水を撒く。サイズは変わっていないが、植え込んだ植物は何れもしゃきっとしていた。もう40年近く通っておいでの私より年配の方が、思いがけぬニュースを伝えて下さった。道新を取っていないのをご存知でのことだった。若い時分から数多くの展覧会を一緒にして来た杉山留美子さんの訃報だった。4日に旅立たれ、お別れの会が後日執り行われるという内容だった。アトリエの窓から見える真っ青な空のスクリーンに、一緒に体験した事象の映像が浮かぶ。交わした会話も鮮明に甦って来た。直ぐにお参りも考えたが、残されたご兄妹がお取り込みの最中と思い、新盆まで待つことにした。

上の空で何とか教室を終え、床を磨く。高校時代から彼女のアトリエに通っていた瀬川さんからも先日の個展の折、入院の話は出なかったから、何処へも知らせずに旅立たれたのだろうか。昨年TDAY展の仲間だったA氏の同文化賞受賞のお祝いの席では隣同士で話が弾み、相変わらずの酒豪振りを発揮しておいでだったので、持ち直してくれているものとばかり思っていたのにと、詮無い思いが次々に浮かぶ。退避させてあった立体をアトリエに運び込み、夕食の素材を買い求めに出かけた。歩き出す前に、庭を一巡する。ハコネツリガネツツジ、サラサドウダンが咲き始めていた。梅の樹の下で、白い木瓜も開いていた。細い茎の先に花を付けるシコタンキンポウゲも、彼方此方で賑やかに花を開いていた。






南東を小さく廻って、スーパーへ行くことにする。限りなく澄み切った空にも心が弾まない。歩きながらも、数々の思い出を反芻していた。昨年見付けたオオヤマレンゲの前を通る。もう白い花弁が見えていた。東の沢に隣接する公園のホウノキを見上げる。大分花が開いていた。高い位置で、花心が見えぬのが惜しまれた。沢の西の道を北へ向う。昨年良く花を付けていたヤマボウシに、蕾が上がっていた。




沢を離れて、住宅街を北西へ向う。気温が上がって頃合いが良しと思われたのか、今年も門柱にシーサーが並んでいた。何時も良く吠える犬の鳴き声が聞こえない。庭を覗くと、昼寝の最中だった。シロヤマブキが花を付けていた。鉢植にしたシロヤマブキは幾分背丈が伸びたが、未だ地植えする程には至っていない。





買物を済ませて、三番通りを西へ戻る。中央分離帯のオオバボダイジュに花芽が下がっている様に見えた。車の流れのない隙に、中央分離帯に渡る。葉影に小さな蕾が下がっていた。



今朝も雲なく良く晴れている。この先澄んだ青空を見ると、彼女の旅立ちを思い出すことになると思われる。