09, 12. 2012 墨絵の様に


午前中は青空が広がっていた昨日は,午後に入って粉雪が降り始めた。風がなく,真直ぐに降る雪だった。教室を済ませ,アトリエの床を磨く。雪は間断なく降り続いていた。

2時少し前に,夕食の素材を買い求めに出かけた。玄関前の階段には10cm近くの雪が降り積り,雪掻きをしなければならなかった。軽いさらさらの雪だった。少し北西を廻ってスーパーへ行こうと,西へ向って歩き始める。凍って少し皺寄ったガマズミの実が、雪の帽子を乗せていた。シラカバ公園を西へ抜ける。粉雪なのに降る量が多く,少し先は霞んでいた。近隣では最も頑丈な冬囲いをされるお宅の前に出た。今年も早くから準備をされていたが,どんなに雪が降っても大事ない盤石の構えに出来上がっていた。




南北に通る幹線道路を北へ向う。剪定され,荒縄で結わえられたレンギョウに,小さな冬芽が出ていた。北の住宅街を東へ戻る。住宅街の外れから,北の原野を見渡す。先日梢が赤く見えていた白樺林も、墨絵の様に色を失っていた。




名称不明の針葉樹は、葉をすっかり落としていた。落葉松に比べると,樹皮が赤味を帯びている。松毬の姿はなかった。三番通りへ戻り,先刻通り抜けたシラカバ公園の北の端に出る。公園の樹々も陰鬱な色となり,南の方は雪に煙っていた。




もう7時になろうと言うのに,未だ陽は登って来ない。南の高い空には,下弦の細い月が白く光っている。音もなく静かに降っていた雪で,庭の梅の樹は真っ白になってしまった。