01, 12. 2012 銀杏二題


朝方晴れていた昨日は,やがて雲が広がり,雪が散らついた。ゴミを出しに外へ出ると,轍や足跡が付いた路面が凍てつき,危険極まりない状態だった。ミトンの仕上げに取り掛かる。手首のパイピングの中に革紐の端を納める積りでいたが、皮の幅が不足で収まらない。仕方なく、パイピングの上から取り付けた。

降雪の日が多くなるので,たっぷりと防水剤を噴霧する。コートやバッグの色が変わり,数年嵌めていない薄手の革手袋が残っていたので,散歩用に下ろした。これで今年の冬は,手のかじかみから解放される。父が手がかじかむ人だったが、弟も姪も手がかじかむ。子供の頃は,冬は辛い時期だった。教室にはストーヴが一基あるのみ。断熱の不十分な木造校舎で,現在よりも気温が低い冬期間は,教室内でも手がかじかんだ。鉛筆や筆が正常に握れない。曲がってしまった4本の指で何とか支える状態で,書き方や習字の時間は苦労した。手の防寒には,未だに苦労する。




午後,今日で終了の旧い知人の個展を観に,札幌へ出かけた。当地は吹雪いていたが,札幌へ近付くにつれ,雪は止み青空が覗いていた。1970年台に,銅版画の刷りを手伝って頂いていた方。会場を辞して,大通公園に向う。車や人通りが多い所為もあるが、路面が凍っていない。樹々は黒ずんで、寒々しい光景だった。銀杏の実が赤味を帯びて,地面に実が落ちていた。鳩が実を突ついている。公園の鳩は人になれているのか,近付いても逃げない。




北へ向い,道庁の構内を通り抜ける。池の水が大分凍り,雪を被った面積が広がっていた。先週未だ青味のある葉を残していた大銀杏は、吹雪もあってすっかり葉を落としてしまっていた。最上部が,道庁の大銀杏。駅に向う途中,ビルの植込みに、見事な冬囲いが施されていた。竹と縄の造形は美しい。数軒廻った生花店では、気の利いた植物は見当たらず,白いシクラメンとピンクのポインセチアを買い求めて戻った。



今日は日中でも気温が零下となる真冬日の予報が出ている。夜分に曇っていると気温は下がらないが,空は晴れて気温が低い。厳しい寒さに,漸くミトンが間に合った。