23, 11. 2012 雌のアカゲラ


昨日朝方の晴れ間は間もなく薄雲が広がり、薄雲の下を大きな量塊の雲が流れる天候となった。読みかけの姜尚中著『続 悩む力』を読み終える。現代の世界的な状況である行き詰りを、その萌芽を近代の夏目漱石マックス・ウェーバーに位置づけて読み解いたものだが、面白いと言うよりも懇切丁寧に書かれているので、頭の整理には良い。全く無縁の二者が走り始めた幸福論の終末を予見していたとの説には首肯出来る。

本を読み終えた2時過ぎに、散歩に出かけた。前日より風が弱まって暖かい。シラカバ公園側の昨年みえたご姉妹のお宅の蔦の葉が落ちていた。色付きは遅かったが、見事な実を付けていた。木化した茎は太く、実はヤマブドウの実の様に大きな房になっていた。




南へ向い、東町公園を通り抜ける。広い公園には、市の指定木の欅の他に、5本の欅が聳えている。樹皮が剥がれ落ちる在り様で、見分けが付く様になった。西南の角から公園を出ようとして、角の欅の大木にアカゲラの姿を見付けた。鋭い嘴を持ち、不敵な面構えをしている。やがて樹の幹を突ついて登り始めた。後頭部が赤くない。腹部も赤く、羽根にも縞模様があるのにと、訝った。家に戻ってから図鑑を調べたら、後頭部が赤いのは雄で、雌は赤くないことが判った。今まで目にしていたのは、雄鳥ばかりということになる。飛翔の春寒を待ったが、補食に懸命で、樹の上の方へ移動して行った。








南の緑地帯にも、小鳥の姿が多く見受けられた。コガラ、ヤマガラに混じり、ヒヨドリの姿も見られた。薄雲を通して、陽の位置が低くなっているのが分かる。






鉄道林前の道から、中央の沢の東の遊歩道に入る。沢の底の大量の水は引いてはいなかった。此の侭凍り付くと、底の灌木や野草は全て枯れてしまう。此の地に漉して40年以上が経過するが、この様な状態は見たことがない。益々低くなった陽に追われる様に、沢を後にした。




今朝も薄雲が広がっているが、陽は射している。風も弱く暖かそうに思われる。未だ花を付けている最後のツワブキを生けることにしようか。