08, 12. 2010 陰々滅々 


朝方散らついていた雪は、やがて霙に変わり、地面を覆っていた雪も融けて、昨日は薄暗さが一層増した。頭が重くなる様な天候。後半月の辛抱で、日が短くなる圧迫感からは脱出出来るが、根雪にならないと此の薄暗さからは解放されない。練上げてあった粘土を2つに分け、四角形と六角形の陶筥を成形した。粘土が柔らかい方が、蓋と身を切り離し易いが、薄い蓋に歪みが掛かるので、分割は今日に延ばした。

送られて来た書類に必要事項を書込んで返送しようとしたら、印鑑証明が必要なことが判った。出張所まで貰いに行かなければならない。1時半過ぎに家を出て、真直ぐ西へ向った。余り強い風ではないが、とても冷たい。耳掛で頬の半分位が覆われるので、頬は温かいが、目元と口の周囲が強ばった。春に白い花を付けていた赤い枝の樹が大分切詰められていた。冬芽は未だ出ていなかった。北の沢の遊歩道を南へ向う。道立図書館から国道と線路を越えて直ぐの位置にある中央の沢にはヤドリギが見当たらないが、北の沢には、ヤドリギの姿が見られる。原始林から鳥達が距離を置いて止まる様が想像出来て面白い。




サクラと思われる巨木の樹皮が捲れていた。幹を一回り樹皮を剥くと、樹が枯れると聴いたことがあるが、大丈夫なのだろうか。この時期、クマザサだけが勢いが良い。恐ろしい程に密生している。冬に雪でクマザサが埋り、傍まで近付いて見たツルアジサイが朽ちて樹に絡んでいた。





二番通りに出て西へ向う。北の沢も水量が多く、かなり南まで水が溜っていた。印鑑証明書を貰って戻る。出張所の傍の大木に、アメリノリウツギではないかと思われる朽ちた花が残っていた。




北の沢の西の遊歩道に入る。何時もは水がない所まで水が溢れ、ススキと思われる植物が根元を水に浸されていた。先日の雨の名残りなのだろうか。三番通りから見た池は、水が濁り、暗い空を映して淀んでいた。




車の往来の多い通りは疲れるので、東の遊歩道に入り、住宅街を東へ戻った。ハマナスの実が残っているお宅があった。寒さで凍ったのか、黒く朽ちている実もある。温かい時期には、赤い葉や実は、少々へきへきするが、この時期になると赤い色に何故かほっとする。過日赤紫色に輝いていたホウキグサが脱色された様になって残っていた。




一昨日真夜中、NHKのBSで、スペインの世界遺産を紹介する番組があった。以前放映されたものの、再放送とのことだったが、観た記憶はなかった。年号を西暦に換算して合点がいった。母を送った時期に当たっていた。陳腐な演出だったが、映像は美しかった。季節は異なっていたが、暑い盛りに歩いた折の感覚が甦った。事前に観て、追体験する旅でなくて良かったと思われた。昨夜も北部を紹介する映像が流れた。トレドやバルセロナの映像を観ることが出来た。お蔭で2夜続きの寝不足。今朝明るくなり始めた空に、星が見える。今日は陽射しが望めるのだろうか。