19, 11. 2010 原始林へ - 1 -


変わり易い天候続きだったが、昨日早朝の晴れ間は、変わることなく終日続いた。遥か西の山際に僅かに雲が見られるが、上空は雲なく晴れ上がった。風も余り強くなく、気温も10度を上回った。

午前中に、溜った細々とした雑用をして、1時過ぎに散歩に出かけた。縫い上がったジャンパーの仕立て下ろしには絶好の好天。個展や旅があって、佳い季節には一度も行けなかった原始林を歩くことにした。日暮が早いので、時間節約の為に、行きは大沢口という原始林の入口に通ずる国道のバス停まで、バスを利用した。バスを降りて、真直ぐ南へ向う。以前週に3コマの講義を持って通っていた大学の前を通り越し、緩い上り勾配の道を進む。文教地区で、もう1校大学があり、学生を対象にしたマンションが急増していた。未だエゾノコリンゴが実を付けているお宅があった。カラマツの落葉が歩道を茶色に染めている。道路の西側には、シラカバの林が現れた。大沢口はもう近い。






大沢口右手の駐車場には、数台の車が止められてあった。原始林を歩いている方があるらしい。すっかり葉を落とし、裸形になった樹々の間の道を東へ進む。落雷にでもあったのか、先端が割けた大きな樹が切られて横たわっていた。途轍もなく長い年月を生きて来た樹の姿は美しい。十字路に出て、コースと距離を示す立て札が立っていた。北を廻るコースへ入る。春にはオオバナノエンレイソウが咲き乱れる道。樹の上で何かが動いた。見上げると、長いふさふさの尾を持ったエゾリスだった。







遊歩道は弓なりに弧を描いて東へ向う。北側の木立に鳥の姿があった。中々止まってくれない鳥にカメラを向けていると、通りかかった男性が目を凝らして、ツグミであると教えて下さった。重そうな機材を担いで先へ向われた。もう少し尾の長い鳥も現れた。ヒヨドリに似ていたが、良く判らない。




高低差のある道を進む。梢に陽を受けた樹々の姿は変化があって見飽きない。高い梢に大きなヤドリギを付けた樹もあった。谷底へ下がる道を下りて行くと、カバノキ科の大きな樹が果穂を垂らしていた。





道は上り坂になった。少し平坦になった地点で、先刻鳥の名を教えて下さった方が、機材を据えて、覗き込んで居られた。逆回りをされて来られた女性も、カメラを向けておいでだった。動いて逃がしてしまってはと用心し、暫く立ち止まって様子を伺う。お二人とも撮影を終えた様子なので、会釈をして通り過ぎた。



道は緩やかに弧を描き、陽射しの感じから南へ向っていることが判った。暫く歩いて、また十字路に差し掛かった。西へ向うと1.7kmで大沢口へ、南へ向うと4kmで大沢口へ出ることが判った。未だ陽が高かったので、4kmの道を選んで歩き出した。