31, 08. 2010 汽車の旅の始まり


肌寒いロンドンでの結婚式から一気に酷暑のスペインへ飛ぶ旅となったので、荷物は結構多くなっていた。大きな荷物を持っての一人旅は大変なので、事前にバルセロナのホテルに、数カ所の都市を廻る間、大きなトランクを預かって貰う様に交渉した。ホテルに着いて直ぐにこの件を確認したら了承済みで、1日1ユーロで預かると言われた。料金がある方が安心して預けられる。

マドリッドへ発つ前の晩、必要最低限のものをトランクの底に入れていたボストンバッグに詰め、残りは全てトランクに入れて施錠した。荷物を持ってチェックアウトに下りて行くと、日時や日数を書込む書類が出され、前金で支払って控えの書類を受け取った。「佳い旅を」の言葉に送られて、サンツ駅へ向った。

汽車に乗るというよりは、飛行機に搭乗するのに近かった。2種のチケットを提示して、バッグと手荷物をセンサーにかける。硝子で仕切られた待合室で改札時刻を待った。ホームへ下りると、既に列車が入っていた。座席は1列と2列の3列で、窓側の1列の席だった。愉しみにしていた汽車の旅が始まった。

街の家並が消えると、荒涼とした風景が広がった。1時間程この風景が続いた。やがて、明らかに植樹されたと思われる果樹と思しきものが見えて来た。緑の量が増して来る。時折、小さな教会を取り囲む小さな集落が見受けられた。飲物のメニューカードが配られ、希望の飲物が運ばれて来た。直ぐに熱い紙製のおしぼりが配られ、機内食と同様の食事が配られた。食事を終える頃幾つかの街が現れ、やがて列車はマドリッドのアトーチャ駅に着いた。





地下鉄の表示を探し、乗換なしで市の中心のグラン ヴィアで降りた。地上には、壮麗な建造物が建ち並んでいた。徒歩で5分程、大きな書店の角を入った中通りに面したホテルだった。予定している場所に歩いて行くことが出来ると考えての選択だった。荷解きをして街へ出る。プラド美術館が主要目的だったので翌朝に廻し、街の南西を散策した。街路に架かる日覆いのテントが面白い。広大なマヨール広場に着いた。







広場を西へ抜け、王宮へ着いた。予想よりは威嚇的ではなく、落ち着いた佇まいだった。王宮の西は低地になっていて、河が流れている。北側から河に向って庭園があったが、不自然に刈り込まれた木が鬱陶しく、此処はパスして翌朝美術館の傍の植物園を観ることにした。









昨日は、当地も34度を超えた。この時期としては異例の高温多湿で、夕刻過ぎから雨が降り出した。今朝雨は上がっているが、未だ湿度は高い。