02, 09. 2010 AVEという乗物


翌朝は、抜ける様な青空の下をグラン ヴィア通りを地下鉄の駅に向った。この通りと角を南へ曲がった通りには、有名店が建ち並ぶ。前日ソフィア王妃美術館へ入る前に下見をしておいたアトーチャ駅の改札口へ向う。蒲鉾型の大きな空間は、植物が植え込まれ、喫茶店や軽食の店舗が並んでいた。






改札口でチケットを提示し、荷物をセンサーにかけて待合室に入った。途轍もなく広い待合室だった。中々トレド行きの時間表時が出ないので、係員にチケットを見せて尋ねると、トレド行きは下の待合室だと言って、誘導してくれた。此処も上の階と同等の広さ。各々15の改札口を持っている。未だ充分に時間があるので、翌日の時間をチケットで確かめていて、問題があるのに気付いた。旅行社が組み立ててくれた時間では、翌日トレドからマドリッドに着くのが11:00。マドリッドからコルドバへ向う列車は、11:35の発車となっていた。日本なら充分な乗換え時間だが、30分前の閉鎖というやたらと厳しい時間制限がある乗車では間に合わないかも知れない。待合室にもインフォメーションがあったので、チケットを見せて35分間で乗換えが可能かと尋ねた。危惧した通り、トレドからの列車は地上階に着き、一旦駅構内に出て、改めて上の階の待合室に入る必要があるので、無理だろうとのことだった。トレド、マドリッド間の座席指定券の方が安価なので、買い替える様に薦められた。トレドに付いたら、チケットを買求めることにした。

トレド行きの列車は混んでいたが、全席指定なので問題はなかった。椅子もゆったりしていて快適だった。車窓からの景色を楽しんで程なく、列車は30分でトレドに着いた。




トレド駅は、エキゾチックな様相の駅だった。翌朝の為に、1時間早い列車の指定券を買求めた。大勢だった観光客は潮が引いた様に既に姿がなく、駅はがらんとしていた。駅の何処にも、他の空間と隔絶された待合室は無かった。トレドを始め,その先訪れた都市の駅舎にも、特別な待合室も、時間制限もなかった。バルセロナマドリッドの厳重な隔絶された待合室と奇妙な時間制限は、何だったのだろうか。さして高価でもない指定券に、飲物や食事のサービスも、奇妙な感じがした。駅前からタクシーでホテルへ向った。部屋の床も、駅と同じ様な赤茶色のタイルに白と青の小さなタイルが嵌め込まれていた。







9月に入った昨日も、気温は一向に下がらず蒸し暑かった。旅行前余りに多忙で、個展のカタログを送れずにいた遠方の友人や留守中に暑中見舞いを頂戴した方々に、ポツポツと書状を書いては郵送している。午後、郵便物を出しに出かけた。未だ陽が高かったので、中央の沢のキツリフネを見て帰ろうと、寄り道をした。帰国後も一度沢の遊歩道を通ったが、通行止めになっていた。あの大きな樹が倒れてから、随分日数が経っている。木道の開通を期待したが、未だ通行止めだった。仕方なく北へ向い、北の沢のトチノキを見て帰ることにした。トチの実は更に大きくなっていた。住宅街を東へ戻る。松の木に絡ませたホップを見付けた。カキの実はどうなったかと立寄った。実が大きくなって、重そうに枝を垂れていた。シラカバ公園の傍のお宅では、メイゲツソウが花を付けていた。庭の陽が当たらぬ隅のメイゲツソウとは大違い。充分な日光で、佳い姿だった。






メイゲツソウ Reynoutria japonica var. compacta f. colorans タデ科