06, 09. 2010 コルドバへ


スペイン旅行を計画した当初、マドリッドからトレドへ向い、マラガ迄南下して、地中海の青を見ながら汽車で北上するイメージを抱いた。旅行社の係の方にその旨メールを入れると、マラガから海岸線を走る列車はないと返信が届いた。海岸線を走れないのなら、マラガへ行っても仕方が無い。旅の最南端は、イスラムの影響が濃い、コルドバに決めた。

他民族に征服された植民地には、文化の徒花が咲く。征服した民族は、後にした故国の文化を強調して展開する。被征服民族の文化も融合し、故国とは幾分異なった文化の花が開く。混じり気のない正統を誇る文化よりも、幾分怪しげな混合した文化を好むのは、生まれた場所が満州で、中国、ロシア、日本の文化が入り交じっていた街だった為かも知れない。

当初の予定より一時間早めてマドリッドのアトーチャ駅に戻り、マラガ行きのAVEに乗り換えた。列車で昼食が供され、定刻通りにコルドバに着いた。クラシックな佇まいの駅をイメージしていたが、街の北外れにある駅は現代的な建造物で、駅の北の広場はバスターミナルになっていた。



インフォメーションで地図を貰い、何番のバスに乗るべきかを尋ねる。駅周辺から街の中央部迄の道路は道幅が広かったが、南へ向うと道幅が極端に狭くなった。南下したバスが道幅の広い道路に突き当たり、左折した。教えられたバス停だった。狭いバス通りを北に少し戻り、バス通りから1本東の道に、ホテルがあった。早速街へ出たが、網の目の様に入り組んだ道なので迷いそうな予感がして、直ぐにホテルへ戻り、フロントの女性に地図にホテルの位置に印を付けて頂いた。ロビーからバス通りへ抜ける出入り口があり、再出発した。

西へ暫く向うと、大きな建造物が見えて来た。メスキータの南東の角だった。そのまま壁沿いに西へ進む。当初からのイスラムの匂いが強い装飾の他に、明らかに後世に加えられたと思われる装飾があるのが面白かった。かなりの距離を進んで、漸く南西の角に達した。広場になっていて記念碑が建ち、遺構でもあるのか地面が深く掘られていた。南にはグアダルキビール川に架かる、長い橋が架かっていた。北へは、メスキータの外壁が続いていた。








主目的のメスキータの位置が掴めたので、更に西のアルカーサルを目指す。周囲をぐるりと廻って、北にある入口から中に入った。





中庭を巡る回廊には、椅子が置かれ、スーベニールの陶器類が並べられていた。壁に嵌め込まれたタイルや、天井の文様の方が面白かった。





早々に引き上げて、主目的のメスキータへ向った。