28, 06. 2010 ムラサキツユクサ


前夜、赤く大きな月が見られたが、個展最終日は雲が多めの天候となった。会期中、終日雨に降り篭められることもなく、出会いと天候に恵まれた佳い個展だった。

早めに出かけようと、支度を整えてから庭を廻った。時ならぬ高温で、植物の動きが加速している。ムラサキツユクサが開いていた。次々と蕾を上げて花期は長く、暫くは涼しげな姿を楽しめる。根元に植え込んだシコタンハコベとの映りが佳い。




玄関先の植込みで、七変化という名のアジサイが色付き始めていた。アジサイの季節が始まった。当地のアジサイは炎天下で花を開くので、日中はぐったり萎れて可哀相。移植しようと思っているいる内に、あっと云う間に背丈を伸ばしたクサレダマが蕾を付けていた。ナツエビネが、しっかりした株を伸ばしていた。昨年増えた株も、芽を出していた。佳い香りを放っていたバイカウツギが、チシマギキョウを植え込んである通路に散り始めた。この時期の通路の風情は、気に入りの姿。






画廊より少し南にあるコンビニ迄タクシーで向い、冷茶を作る氷を買求めて画廊へ向う。大きなクリの木が長い花序を下げていた。軒先にブドウを絡ませているお宅があって、もう小さな実が数多く付いていた。塀から出た枝に、画廊前の樹と似た様な赤い実が付いていた。






会場はすっかり準備が整えられ、Oさんに誘われて、隣のギャラリー門馬ANEXへお邪魔した。細長い空間は、見事に構成されていた。器も面白いが、陶板やオブジェの作品が佳い。感想を述べていると、Tさんが最終日だから香りを楽しんで下さいと、白い開きかけのバラを1輪下さった。芳香を持つバラだった。Oさんに長い逆三角形の器をお借りして、バラを入れた。佳い香りとお心遣いに、心が和む。初対面のS氏が見え、話している内に、荷物から黒い用紙と鋏を取り出された。2つ折にした用紙に鋏を入れ、切り紙を始められた。見事な仕事ぶり。切り取った紙片に折り込みを入れると、立体感を持ったクワガタが出来上がる。更に別の用紙を出されて、クワガタを糊付けされた。話しながら、次にはザリガニを作られた。丁度来合わせた一回り年上の従兄にも、カブトムシを作って下さった。ゆっくり出来たのはこの時点迄。次々と来廊者が現れ、多忙な最終日だった。慌ただしかったが、帯広の造形作家U氏と間もなくグループ展を控えておいでの、人形作家Kさんの来廊は嬉しかった。

7月3日、4日に開かれるコンサートの為に、パネルの奥にあるグランドピアノを出す必要があり、パネルに展示されている1点を外す為に、O氏がお出で下さった。荷物も5日迄預かって下さるというOさんに個展のお礼を述べて、O氏に送られて地下鉄の駅迄向った。作品との再会は、4日のコンサートとなる。


ムラサキツユクサ Tradiscantia × andersoniana ツユクサ