17, 03. 2010 冬を越したバラ


朝方の雨が早々に上がった昨日は、気温も期待程は上がらなかった。午前中はねっとりとした曇り空だったが、午後から僅かに薄日が漏れた。風が強く、雲の流れが速いので、天候は目紛しく変わった。新たな作品の為に、10年以上使用していなかった、四国の手漉きのボール紙の様に厚い和紙を水張りした。佳い質感を持った和紙なのだが、水張りの加減が難しい代物。

駅前の銀行に行く用事を思い出し時計を見ると2時を過ぎていた。時間が心配なので、行きはバスで、帰りは歩いて戻ることにした。酷く寒くはないが、強い風を割り引いても、7度に達しているとは思われなかった。時折小雪も散らつく。もう少し雨が盛大に降ってくれると、雪も融け、道路の汚れも流されたのだろうが、一冬の汚れを積層した雪が融けると、汚れが目立つ。用件を済ませ、駅から続く団地の南端の道を東へ戻った。中央の沢の東の遊歩道を北へ向う。沢の底の小川には、雪解け水だろうか、水が流れていた。




雑木林の木に、丸い穴が開いていた。アカゲラでも開けたのだろうか。綺麗に丸く穴が穿たれていた。右手の住宅地の雪の山から、木造の梟が頭を出していた。昨年日記に載せた、音楽隊のメンバー。高いコンクリート塀から枝を出したレンギョウの芽が膨らんでいた。





住宅街の道をジグザグに辿りながら北東に向う。ヒイラギナンテンはどうなっているかと立寄った。先日僅かに見えていた1本の幹の下から緑の葉が覗いていた。つい先日、日野在住のMIXY 友のHさんのブログに、葉の頭頂に華やかに広がった黄色の花の写真が載せられていた。花芽は、小さく固い。花が開くのは何時になるのだろうか。




塀の上から赤味を帯びたものが覗いているお宅があった。離れた位置からハマナスの実かと思われ、近付くとバラの花だった。冬の初め迄咲いていて、雪に埋もれたものとみえる。朽ちて茶色になっている個体もあったが、色が残っているものが多かった。大きな実も残っていた。殆どのお宅のバラは冬囲いをされているが、寒さに強い種なのだろうか。雪の中から現れた色と形を残したバラの姿は、不思議な光景だった。



昨夜の降雪で戸外は白くなっている。今日の最高気温は0度。春のお彼岸は近いが、当地の春は未だ遠い。