先週末の晴天が遠い出来事の様に、すっきりせぬ曇天が続く。重い空を見上げると、アトリエと梅の木の間に、昨年は見ることのなかったオニグモが、大きな巣をかけていた。
春のグンナイフウロに代わって、トカチフウロが咲き始めた。青みが強く、萼が尖っているグンナイフウロに比べて、花の色は赤味を含んだ白に近い紫色で、固まって咲くことはない。優しい風情の一日花。双方共に、チシマフウロの近種らしい。
未だ充分な暑さが来ぬうちに、ナツハゼが早々と紅葉を見せている。春早く、白い花を付けていたチシマイワブキも、花穂はとうに朽ちて、葉が紅葉し始めた。
昨年の紅葉の葉で冬を越し、躯体に似合わぬ大きな花を咲かせていたイワウチワは新芽を出し、春よりも緑がかった様相を見せているが、花を落とした萼は赤く染まり、赤い花の様に見える。艶のある葉は、秋へ向かって赤味を増して行く。
イワウチワ Shortia uniflora イワウメ科
チシマイワブキ Saxifraga nelsoniana var. renifolmis ユキノシタ科
トカチフウロ Geranium erianthum フウロソウ科
ナツハゼ Vaccinium oldhami ツツジ科