10, 04. 2011 庭にも春が 


未だ風は冷たいが、雪で埋っていた内庭にも漸く春がやって来た。敷石部分と地面の4分の1程の雪が融け、昨朝フクジュソウが1輪開いた。地面から蕾を引き抜いていたクリスマス・ローズも花を開いた。春一番に咲くこの種は、背丈が10cm足らずで、他の種よりも大きな花を付ける。雪の量が減るにつれ、庭木の痛手も明らかになって来た。カラマツとナツツバキは覚悟していたが、アトリエの南東の角のハナカイドウも枝が折れていた。アトリエを建てた折に植えた30年以上経った樹で、今迄一度も枝など折れたことのない樹。西側のヒバの生垣も怪しい。





教室を終えて板造りの準備を済ませ、夕食の食材を買求めに出かけた。真綿を引きちぎった様な雲が流れて行く。何の木の芽だろうか。丸く大きな緑色の芽が出ていた。ナナカマド公園を南へ向う。立木に、カラスに注意を呼びかけるプレートが縛り付けられてあった。ここ数日、低空飛行をするカラスが目立って来ている。遊歩道脇のニシキギの枝折れは、かなり酷い状態だった。南東の小公園を廻ろうと、住宅街の庭を見ながら歩く。団地が出来る以前からお住まいの家の大きな松の木の枝も折れていた。







小公園の雪は、未だかなり高かった。近隣の方々が運び込んだ雪が、他の公園に比べて圧倒的に多い。気に懸かっているホウノキは、折れた大きな枝が半分程雪の中だった。モミジの梢が赤味を増して来ている。直ぐ傍の東の沢の樹々の梢が、明るさを増して来ていた。




動きの速い雲を見ながら歩く。二番通りに面した沢の公園は、陽当たりの良い部分の雪が融けていたが、遊歩道には雪が残り降りることは出来なかった。沢の西の道を北へ向う。銀色に光っていたネコヤナギの芽が伸びて、緑色を帯び始めていた。




大災害から一月が経過し、昨夜NHKで特集番組が組まれていた。膨大な数の失われた命への鎮魂は、個々人の胸の中で続けられて行くべきで、残された被災者が背負う重い荷の為には、息の長い支援が必要と感じた。