24, 08. 2010 早朝の散歩 - 1 -


今朝も雨が降っていて、この時期としては気温も高めで、少々蒸し暑い。低湿度の高温ならかなり我慢が利くが、多湿の天候は苦手で気が滅入る。未だ時差ボケも多少残っていて,生活のリズムが取り戻せていない。

時差ボケは、ロンドンに着いた後でも起きた。普段でも朝目覚めるのは遅い方ではないが、現地時間の2時か3時には目が覚めてしまう。姪と同室だったので,起き上がって動き廻るのも憚られ,難儀をした。結婚式の翌朝,何度か時間を確かめていると、眠っていると思われた姪から声がかかった。出版関係の仕事をしている姪は,帰宅時間が遅いこともあって,朝はギリギリ迄眠り,朝食を摂らずに飛び出して行く。朝寝坊の自覚はあるらしく少し照れた表情で、自分には似合わぬことながら、ハイドパークを散歩しないかという提案だった。少し明るくなったら部屋を抜け出して歩こうかと考えていた矢先だったので否やはない。空が白んだ5時過ぎに,2人でハイドパークを目指した。

4年前に来た折に,ハイドパークの東南のグリーンパークやセントジェームズパークは歩いているが、ハイドパークは歩いていない。ホテルから少し西のランカスターゲイトは開いていた。未だ明け切らぬ公園には、散歩やジョギングをする人々の姿が時折見受けられた。剪定を受けぬ大きく伸びた樹々の姿がとても佳い。見知らぬ花木が花を付けていた。




エゾリスに良く似たリスのお出迎えを受けた。リスの数は多く,余り人間を警戒する様子はなく、かなり近く迄寄って来る。




キイチゴか、赤から暗紫色に変じ始めた実が数多く見られた。どの様な花を付けていたのか,小さな実を数多く付けた花木があった。胸から喉元にかけて、朱色の鳥を見付けたが,じっと待っていても葉に隠れた顔を出してはくれなかった。






2人で手を繋いでも、幹の半分程にしかならぬ巨大な樹があった。やはり実が数多く見受けられた。どの様な花が相応しいか話し合った。




恐らくランカスター門の前の噴水に続くと思われる幅広い水路に架かる橋を渡り,あちこち寄り道をしながら北へ折り返した。公園の北外れ近くに,佳い風情の家があった。童話に出て来そうな家。私と同じで,体育系が全く苦手で、本の虫だった姪との散歩に相応しい佳い散歩だった。




朝食後小さな買物の用があって、頂戴したお祝いのお返しを調達する弟家族と一緒にリバティデパート迄同道して別れ,ナショナルギャラリーを覗いた。前回何度も渡ったハンガーフォード橋を渡り、テムズ河の南岸を東へ向った。朝日新聞で紹介されていた ERNEST NETO and THE NEW DECOR という企画展を観に、ヘイワーズギャラリーに立寄った。副題が THE EDGES OF THE WORLD と付されたコンセプチャルアート展だったが,掘り下げが不足の様に思われた。河岸の公園沿いに東へ向い、テート モダンへ入る。英国の公的な美術館は全て無料で入館出来るのが有難い。前回訪れた折とは構成が変わっていて、マーク ロスコの作品との再会が出来なかったのが惜しまれた。






未だ陽は高かったが会食の時間も気になって,ミレニアム橋を渡りセントポール大聖堂前からバスでホテルに戻った。長い一日だった。