09, 08. 2009 子供がいない公園


煉瓦工場から北は、東の沢を含めて、バス通りに至る300m近くが、公園として整備されていた。甥が子供の頃、エゾサンショウウオの卵やクワガタを捕獲していた折は、公園にはなっておらず、沢はクマザサが生い茂る自然に近い状態だった。木製の遊具が点在し、斜面には太いロープで出来たネット状の遊具も設置されていた。芝は綺麗に刈り込まれて、斜面をゴロゴロ転がっても遊べそうな佳い空間だった。夏休みの日中なのに、子供の姿が全く見当たらない不思議な光景だった。




沢の下の方から人声が聞こえたので、斜面に緩やかな傾斜で造られた階段を下りてみた。木立の南にテニスコートがあって、人々がテニスに興じていた。更に南には高いネットが張られたゴルフの練習場があった。




沢の西側は、急勾配の斜面に樹々が鬱蒼と繁り、ヤマブドウの蔓が絡み、所々にノリウツギ(サビタ)の白い花が見えた。自然の姿そのままの緑の壁の足元には細い小川が流れていたが、手前に出来た遊歩道との境には、生垣が続いていた。小川へ至る道はないかと探したが、遊歩道は大きく弧を描いてバス通りに近い部分に登る様に造られ、西側は生垣に遮られていた。右手には等間隔に植えられた花期の終った樹が、実を付けていた。



見事に整備された公園ながら、小川に辿り着くには、バス通りから急坂を下りなければならず、川遊びは難しく思われた。公園には戻らず、バス通りに沿って緩い勾配で造られた道を登ると、バス通りとの合流点付近には沢に下りられぬ様にフェンスが張られ、ツユクサが咲いていた。甥が子供の頃、様々な冒険を楽しんだ東の沢は、安全に整備され、“昔の子供”の遊び場に変貌していた。


ツユクサ  Commelina communis ツユクサ
ノリウツギ Hydragea paniculata ユキノシタ