23, 10. 2009 長い松毬 


昨日は気温が更に下がり、風も強く寒い一日だった。午後から晴れの予報が出ていたので、午後の時間を制作に充てようと、午前中の早い時間に市役所へ行く用事を済ませることにした。しっかり着込んで外へ出たが風が冷たく、思わず身を縮めた。団地の中央を走るバス通りを、真直ぐ東へ行った所に市役所はあるのだが、団地の住民の大半は、札幌を向いて暮している状態で、東の市役所へ向うのは、札幌へ出かけるよりも気が重い。一日延ばしにしていた用事を雪が来ない内に済ませようと、バス停へ急いだ。

団地の西の外れから来るバスは、このバス通りを真直ぐ東へは向わず、途中野幌駅を迂回して走る。大分葉が落ちて梢が寂しくなり始めていたが、野幌の公民館付近の公園の紅葉は美しかった。市役所で用事を済ませバス停に戻ると、バスが来る時間迄に30分近くある。野幌迄戻れば異なる路線のバスもあるので、西の空が明るくなって来たのを幸い、野幌迄歩く事にした。途中で見かけた公園付近の紅葉が気になった。街路樹のイチョウはすっかり黄葉し、少し枯れ始めていた。



公園迄戻り、人気のない公園を落葉を踏みしめながら歩く。未だ雪がある頃に、陶芸の用具を求めに来て以来の公園散歩。公園の北外れにあるガラス工芸館に出る。以前は個人の住居だった古い洋館は、暫く空き家になっていたが、市の肝いりで、ガラス工芸館として再生された。入口に休館の札が下がっていた。建物の周りをゆっくり回る。半円筒状になっている煉瓦建ての基部に、緩い弧を描いた隙間があるのが気に懸かった。中は何もなく、小砂利が敷かれている。北へ廻ると、中は紙が当てられて見えなかったが、正円の小さな窓があった。東側には小さな正方形の窓。どの様な思いで建てられたのかが気に懸かる。







バス通りを北へ渡って、錦山天満宮の境内へ入る。歩道近くの鳥居の西側に大きなエゾマツがあって、長い大きな松毬が沢山落ちていた。参拝を済ませ、小さなドングリを拾ってバス通りに出ると、斜め向いのバス停に何人かの人の姿が見え、バスの時間が近いことが分かった。ポケットとバッグを拾集物で膨らませて、バスで戻った。図鑑で調べてみると、エゾマツの松毬は、数個纏まって、下向きに付くことが分かった。どの松毬も、緩くカーヴしている。午後の陽射しは期待程明るくはなかったが、時折の陽射しで色を調整し、漸く1点仕上げた。今日は朝から快晴。気分良く仕事を進められそう。




イチョウ Ginkgo biloba イチョウ
エゾマツ Picea jezoensis マツ科