28, 11, 2016 倶知安へ


昨朝待ち合わせの時間に遅れぬ様に早めに出かけたが、何かの手違いが柴氏は1時間待っても現れなかった。直ぐ目の前が新さっぽろ駅なので、電車で出掛けることにした。幸い小樽まで乗換えなしに行ける電車があって、乗り込む。久々に見る日本海に、大きな虹が出ていた。小樽で倶知安行きの電車まで少し時間があるので、駅の構内で時間を過ごす。小樽の産物の硝子のランプが下がった窓から、青空が見えていた。





小樽から先は普通列車だったが、それ程時間はかからなかった。只、余市で乗客は殆ど下車してしまった。小樽は晴れていたのに、次第に雲が低くなった。倶知安に着くと、僅かに雨が降っていた。バスの時間まで間があるので、駅前からタクシーで向かう。広い高台の位置に、美術館はあった。長い裾野が見えているのは、羊蹄山に相違ない。美術館のロビーの正面の、大きな窓からも裾野が見えた。晴れていたら、窓の正面に山が聳えて見えるのに、誠に残念。






受付でティケットを買求める折に、柴氏が在館かを尋ねた。私が尋ねることを知らされてあったのか、ティケット量は受け取らず、写真ですねと、重い荷物を預かりますと運んで会場に案内してくれた。先ず小河原脩先生の作品を眺めた。一緒に出掛けたラダックがモティーフの作品も含まれていた。隣右手の空間が、杉山留美子展の会場。ロビーから僅かに見える会場を撮ったのが、最上部の写真。1970年代からの懐かしい作品が展示され、観客が誰もいないのを佳いことに、会場中央に並べられた椅子に座ってゆっくりと眺めた。佳い展覧会だった。夜を徹して語り合ったこと、札幌や東京で展開した二人展のことなど、思い出が駆け巡る。学芸員の女性に、奥の事務の空間に案内される。思いがけず、30年近く前から知り合いの作家徳丸氏に出会った。上手く出会えなかった柴氏が到着して、名刺を戴く。名刺には、館長と記されていた。持参した写真と名刺代わりの個展のカタログをご覧頂く。徳丸氏が、アトリエまで案内して下さると言う。ニセコの山の麓にある家には、杉山さんと泊めて頂いた記憶がある。直ぐ傍に当時はなかったアトリエが出来ていた。2階建てで、1階が徳丸氏の、2階は写真家の息子さんの仕事場になっていた。夏に詩人の糸田さんから送られた絵葉書の作品と同一だった。上下で親子で仕事が出来るなんて、何とも幸せな空間。懐かしいご自宅で、奥様にも出会えた。戸外が大分暗くなった頃、柴氏が迎えに来て下さった。暗くて判らなかったが内陸を走り、中山峠の表示が出た。真駒内駅で降りると、地下鉄1本で札幌駅に着くので、真駒内で下ろして頂く様に申し出た。家まで送って下さると月寒を抜け、大麻まで送って頂いた。





昨夜の降雪が庭木に花を咲かせているが、雪は止んで、青空が広がって来た。お世話になった方々へ、礼状を作成しなければならない。