14, 03. 2015 逸れ鳥


昨朝8時過ぎに南の空が開いて、青空が広がった。直ぐに仕事に取りかかる。30分程仕事を進めていたらまた雲が陽を覆い、やがて大きな牡丹雪が降り始めた。ガラス窓に当った雪は、直ぐに融け落ちていく。出窓の屋根や庭木に積った雪も、程なく落ちてしまった。仕事もならず、気が重くなる読みかけの本を読み終える。然るべく教育を受けた人間が自らの科学者としての前途を断ち切ったばかりでなく、補佐した有能な研究者を巻込み、中の一人を自死に追い込んだ暗澹たる事件だった。義妹が梅の枝に刺した林檎に、ヒヨドリが何度も飛来する。雪で外へ出られぬ飼い猫のアタローが、鳥の様子をじっと見ていた。




天候が好転するのを待ったが晴間が広がる様子はないので、生花と茶菓を買い求めに出掛けた。水曜日に食材を買い求める折に、生花は近隣で調達出来そうなのを確認し置いた。電線に鳥の姿があった。ヒヨドリかと思ったが、小さく胸が白い。横向きになった折に、後頭部につんと突き出た羽根が見えた。キレンジャクだった。ほぼ一月前の、キレンジャクの大集合を思い出した。群から逸れてしまったのだろうか。




雪は降り続いていたが、路面に落ちると直ぐに融ける。道路と塀の間に、植物が姿を現していた。赤い芽は、何の芽だろうか。先日とは別の場所で、水仙の芽に混じって大分膨らんで来た蕗の薹を見付けた。



昨夜も僅かに降雪があって庭木が白くなっているが、今朝は良く晴れている。南の空に、半分に欠けた白い月が見えている。今日から数日は、陽光が望めそうな予報が出ている。