11, 03. 2014 蒼い影


前夜降雪があり,朝方は曇空だったが間もなく雲は開け,昨日は快晴となった。気温も僅かに上がって,小屋根の雪が落ち始める。陽光が新雪に反射して,アトリエの奥まで明るい。大きなスパイラルの着彩を進めた。正午のニュースで,本州地方も雪に見舞われたことを知った。咲き始めた梅の花にも,雪が積っていた。札幌の降雪の映像も流れたが,山際の札幌の方が雪は酷かったらしい。

午後の彩色作業を終えた2時半過ぎに,散歩に出かけた。幹線道路の雪は融けて,アスファルトが出ていた。舗道も雪が緩んで、一部シャーベット状態になっている。こんなことなら降らねば良いがと思うのだが,そうは参らぬらしい。友人の華道家Mさんの、「春の雪は,雪を融かす雪。」の言葉を思い出した。南へ向い,東町公園の脇を通る。樹々の枝に降り積った雪が解けて,逆光で輝いていた。南の緑地帯を進んで、鉄道林前の道に出た。アカエゾマツに降り積った雪が,時折どさっと落ちて雪煙を上げていた。





背に暖かい陽を感じながら,東へ向う。アカエゾマツに負けぬ程の高さのヤマグワの梢が煙っている。小さな冬芽の筈だが、数多く芽が出ているのだろう。オニグルミの枝の先端に,丸い冬芽が見えていた。住宅街を気侭に折れ曲がりながら,北西へ戻る。ナナカマド公園へ続く遊歩道に入る。実が無くなったナナカマドも、冬芽が出て梢が量塊を増して来ていた。陽が少し傾き始めて,遊歩道に出来る影が青さを増して来た。ナナカマド公園を西に抜けて,住宅街を西へ戻る。庭木に積った雪が解けて水滴を落とし,きらきらと輝いていた。






空の青は幾分弱まったが,今朝も良く晴れている。梅の樹に刺した林檎には,ヒヨドリが数度目の飛来。空腹ではないのか,林檎の見張り番を務めている。