08, 04. 2011 足踏みする春 


久々の曇り空となった昨日、工房を訪ねた。街路の雪は殆ど消え、歩き易くなっていた。琴似駅から南に見える三角山を目指して歩く。途中の生花店で、麦の穂を見付け、青い星形のブルースターを添えて手土産にした。ヤドリギの小枝と実も忘れずに持参した。K・Kさんは、磁器の器に麦の穂を、小さな硝子の器にヤドリギを挿された。工房裏の沢の雪は未だ残ってはいたが、デッキは現れ、クマザサも頭を擡げて来ていた。雪解けで、小川の水量が増えていた。




高台付きの陶器が焼き上がっていた。素焼が出来ていた陶筥と器にペーパーをかける。撥水剤を施し、呉須で絵付けをした。4時過ぎに漸く透明釉をかけて、作業を終えた。




帰りがけ、K・Kさんは、玄関前のヤマボウシとナツツバキに、ヤドリギの実を押し付けて固定された。粘液質の皮膜が効力を発揮して、実は樹に固定された。落ちることはないと思われる。秋にアカミヤドリギの実を届けることを約束した。




昨夜、時間の長い揺れを感じた。テレビを点けると、宮城県震度6強の地震が起きたことが報じられていた。新たな暮しへ向けて動き始めたばかりなのに、被災地の方々に大きな不安と忌まわしい出来事を甦らせたことを想うと、いたたまれない。

今朝は雨が降っている。梅の樹の横のフクジュソウが、漸く姿を現した。気温が低いので、未だ暫くは開くまい。順調に歩み始めた春が停滞を始めた。