26, 11. 2010 秋の名残り


五番通りの木立も、美しく輝いていた。洗濯機を仕掛けて出て来たことを思い出し、引き返そうかとも考えたが、余りの好天なので更に東を廻って戻ることにした。農道を舗装しただけの通りには、歩道がない。インターチェンジが近く、車の往来は多い。滅多に人間など歩く道ではないので、運転される方々が、何で此の道を人が歩くのかという表情をされているのが見える。それでもスピードを緩め、少し中央寄りに運転して下さる。

未だ雪がある時期に、2頭の馬を見た農家に差し掛かった。その後2度此処を通っているが、馬の姿はなかった。馬小屋の陰に、1頭の馬の姿があった。東へ進むと、3頭の馬の姿が見られた。白と茶の馬と薄茶色の馬は初お目見え。






更に東へ進んで、高速道路の西側の道を南へ向った。すっかり脱色された様なススキの穂が陽光で輝く。高速道路のフェンスの向こうに、ツルウメモドキが赤い実を付けていた。





坂を上り切り、高速道路を下に見ながら四番通りへ向う。農場の東側のノイチゴが未だ葉を付けていた。他の植物が色を失っている時期だけに、紅葉した葉の美しさが際立って見えた。



一夜明けた昨日も好天となった。気温がわずかに上がったが、南風なのに冷たかった。午後から今日が最終日となる一原有徳展を観に出かけた。先頃100歳で旅立たれた作家は、高齢になられても絶えず前向きの新たな試みに挑まれた作家だった。寝室の壁に、横長の濃紺のモノタイプの版画作品にたっぷりの余白を付けて額装したものを掛けて眺めているが、強く深遠な世界で、背筋が伸びる。奥の部屋も覗いたが人の気配がなかったので引き上げた。地下鉄の駅迄北東に400m程戻らなければならないので、南を目指して歩いた。北12条から北大の構内に入った。銀杏並木は葉を殆ど落とし、空を突いていた。歩道に落ちたギンナンが踏み潰され、強い臭いを放っていた。




並木が切れた所から南へ向う。以前は大きく目立っていた理学部の建物が、周囲に出来た新しい建造物の谷間になっている。正面の車寄せには、ノーベル賞を受賞された鈴木氏を祝う横断幕が掲げられていた。少し南の大木にヤドリギを見付けた。大きな樹にはプレートが貼られ、ハルニレであることが判った。





農学部の建物を見ながら南へ進む。クラーク会館の脇を抜け、更に南の鉄道の高架を潜って、駅に続く道へ出た。



植物園から続くかっての原生林が残されて貴重な緑となっているが、この小径も、右手の広大な庭を有するI邸も、新幹線の工事を契機に、緑が失われ様としている。都心の貴重な緑だけに、何とか残して欲しいもの。