25, 11. 2010 夕暮れの鴉 


靴底に当る毬を踏んで、南へ向った。細い東西に走る道があり、階段があった。階段を上ると、緑地帯は公園になっていた。遊具等が点在し、かなり大きな旧い樹々も見られた。公園のほぼ中央に、実を沢山付けたエゾノコリンゴがあった。遊歩道に沿って南へ行くと、二番通りに出た。角にノリウツギだろうか、花の跡を残した樹があった。目の前に西の沢が広がっていた。通りを渡って階段を下りた。此処の沢が最も幅が広い沢なのだが、沢の底は埋め立てられて、野球のグラウンドやテニスコート等、スポーツ用の公園になっている。沢へ下りたのは、初めてだった。





中央部は埋め立てられて平坦になっているが、東と西の木立は他の沢と変わらず、大きな樹が密生していた。西から青空の領域が広がって来ていた。緩くカーヴする坂道を上り、駅前から続く道に出た。道の南は沢が続いていて、鉄道林の針葉樹はなく、落葉した樹々の南に、国道の南の建造物が見えた。先日原始林からの帰り道、沢を含む広い敷地を持つ札幌学院大学の側を通り、この建物に出たので、西の沢は元々原始林に続いていたことが判る。





駅へ続く道を、東へ戻った。南の鉄道林には、鴉が集まり始めていた。膨大な数の鴉が、此の林をねぐらにしている。大分陽が傾いた中を、中央の沢を通って戻った。やはり沢は、埋め立てていない方が佳い。





陽射しがなくても15度近い気温だったが、明けた昨、一昨日は、気温が一気に下がった。手を付けていたジャケットの袖丈詰めは、一昨日出来上がった。昨日は気温は低かったが、朝から良く晴れた。久々に北の方を歩いてみようと、団地の北へ出た。上空は雲なく真っ青。西の雪を冠った山々から雲が迫出していた。一本道を下って、五番通りへ向った。高い樹に絡まったツタに、鳥が止まっていた。色が確認出来なかったが、ヒヨドリではないかと思われる。様々な野菜を植え込んであった畑は、収穫が終っていた。





すっかり葉を落とした樹々が明るい陽光で輝き、梢が柔らかに色付いて見える。まるで早春の様な情景だった。気温が下がっても、明るい陽光は気分を浮き立たせる。