23, 11. 2010 雨雲の下を
前日雲なく晴れ、夕映えが空を赤く染め、満月と思われる月が照っていたのに、一夜明けた昨日は、雲が厚く垂れ込めていた。高層の雲の下を、雨雲が南から押し寄せる。時折薄日が漏れるが、何時降り出しても可笑しくない空模様だった。
夏の旅で、義妹と弟に革のトレンチコートとジャケットを、土産に買求めた。日本人の体格に合うサイズのものはなかったが、革の鞣しが良かったで、試着して肩幅が大きくないものを選んだ。袖丈なら何とか詰められると判断してのこと。義妹のグリーンのコートの袖丈は、大分以前に詰めた。弟は他にも革のジャケットがあるので、一日延ばしにしていたが、そろそろ寒さも本格的になりそうなので、袖丈を詰めることにした。ジャケットは、袖口に開き見せが付いているので、これが難問。取り敢えず片方を解いて、詰める寸法を切り取り、解かない袖を見本に仕上げる。最初から縫うならミシンで簡単に縫い合わせられるが、結局全て手で千鳥がけをして表を固定し、裏はきせをかけて奥まつりをした。片袖だけで1時過ぎ迄かかってしまった。
かなり怪しげな天候だったが、気晴らしに歩いて来ることにした。昼食に義妹がSoraのパンを買って来たので、ほぼ一月前にこのパン屋に出かけた折に目にした大きなクリの樹と梢近く迄ツタに覆われた巨木を思い出した。雨が降ったら引き返そうと、西の北の沢を目指した。葉を落としたガマズミは、赤い実を付けたまま縛られていた。ズミが葉を落として、実だけになっていた。此の樹には、冬に小鳥が来ていた。クリの樹が未だ葉を付けている。収穫されたらしく、毬は残っていなかった。
昨年冬囲いの作業中に前を通ったお宅は、今年も頑丈な冬囲いを済ませていた。北の沢に近いお宅の門柱に、ハロウィーンの南瓜の飾りが未だ乗せられてあった。子供が作ったのか、目鼻は繰り抜かず、マジックで描かれていた。
北の沢は色を失い、陰鬱な表情を見せていた。東の遊歩道を北へ向い、三番通りに出る。西へ進むと、ヒバの生垣の間から、大きな枝が折れて幹が割けているのが見えた。真新しい割け口だった。西の遊歩道に入り、対岸から見た。割けた枝は大きく、池に倒れ込んでいた。木道を直撃して倒れた枝の様に、重さを支え切れなくなったのだろうか。
遊歩道を半ば迄南へ進んだ頃、雨が少し落ちて来た。南へ抜けて二番通りを戻ろうかとも考えたが、西の空が明るかったので、遊歩道を離れて西を目指した。