29, 10. 2010 残り火のように - 2 -


中央の沢の階段を下りて、沢を渡って西の遊歩道へ出た。とうとう今年は、木道の補修がなかった。今年度の予算をオーバーして出来なかったのだろうか。殆ど葉を落とした樹もあり、今迄見えなかった沢の対岸が透けて見え始めている。トチノキの葉に似た大きな葉を付けた樹があった。トチノキの葉より幾分小さいだろうか。ロンドンやスペインの各地で見た、機雷の様なトゲトゲのある実を付けた樹を思い出した。此の樹はどの様な実を付けたのだろうか。





遊歩道を北に進み、二番通りへ向う。葉を落とした樹々の間から、池の水面が見えた。




二番通りを渡り、北の沢の西の遊歩道に入る。直ぐ近くで見ると、葉は大分反り返り始めているが、様々な色で秋を演出していた。残り火が輝く様な最後の残照。此の通りを何時迄歩くことが出来るだろうか。重く垂れ込めていた雲が少し開いて、僅かに西日が射し始めた。





三番通り迄出て、東へ戻る。歩道脇のヒバの生垣の間から、静まり返った北の沢の池が見えた。振り返ると、西の空には、雲間から斜光が伸びていた。




夕映えが出ていたが、一夜明けた昨日は、前日とは逆に今にも降り出しそうな重い雲に覆われて、午前中は薄暗かった。強い西風で雲が流れ、午後に入ると青空が広がった。強い風に、綿を飛ばした様な雲が浮かんでいた。




型紙を補正してみたが、どうしても長い部分が取れず、気に入らぬ形の帽子を作っても、使用頻度が少なくなるのは目に見えているので、佳い素材に出会う迄製作を延期することにした。年が明ければ、鮮やかな色の革が出るに相違ない。