18, 09. 2010 カテドラルを探しに 


朝食を摂りながら、列車の時間迄の過ごし方を検討した。此の街に立寄った主目的は,国立陶器博物館を観ることにある。バレンシアの街は,南のノルデ駅から120度位に開いた2本の大通りに挟まれた扇型の地形で,外周はトウリア庭園という幅広の緑地帯が取巻いている。周辺は直交する道路で区切られた街並だが,中央部は細い道路が網の目の様に複雑に入組んだ街。国立陶器博物館は、市場から比較的近い位置にあるが,開館は10時からなので,暫く時間がある。先ずカテドラルを観て,開館が1時間早い外周の緑地帯近くの県立美術館を訪ね,中央に戻って主目的の博物館を観ることに決めた。サラダは美味しかったが,半分程しか食べられなかった。揃えたナイフとフォークを見て、ボーイがもう下げても良いのかと、怪訝な顔で尋ねる。美味しかったけれど、私には量が多過ぎると言ったら,納得して下げて行った,此の言い訳をあちこちで何度繰り返したことか。とても食べ切れる量ではない。

方針が決まって、腰を上げた。市場の北には教会があった。通りを挟んだ向い側には,15世紀に交易取引所として建てられたという、世界遺産にもなっているラ・ロンハがあった。固い感じの建造物だったが、細部には優雅な装飾が施されていた。







カテドラルは,二叉路のもう一方の道路より更に北東にある。ラ・ロンハの北の細い路地に入り,東へ向った。地図には載っていない旧い教会が現れた。その先には,南の地方で見て来た様な壁の厚い教会。更に北東へ進むと、路地の先に白い流麗な教会があった。これも地図には載っていない。時代は大分後のものと思われる。







あちこちに小さな広場があった。広場の片隅に大きなオリーヴの樹があった。近寄ってみると、青い実を数多く付けていた。車窓から見えていたオリーブの樹を思い出した。




路地の左手に高い塔が現れた。カテドラルのミゲレテの塔かと思ったが,近接している教会は小さかった。更に北東へ向う。車の往来の多い、広い道路に出た。左手奥にカテドラルがあった。




先に見た塔よりもがっしりした塔が見えた。ミゲレテの塔だった。