11, 06. 2010 トチノキ
朝方のねっとりとした雲は10時前には切れて晴れ上がり、昨日は風のない好天となった。時間を追って陽射しが強まり、朝庭に出た折には植物に水滴が付いていたが、正午過ぎにはすっかり乾いていた。三六のボードに2片のボードを継ぎ足したサイズの繰り抜きとテープ貼りをする。屈んでの単調なテープ貼りの作業は、将に忍の一字。何度も庭に出て気分を立て直す。
シャクナゲが開いていた。以前にも記したが、19本あるシャクナゲの何れも、名称が分からない。このシャクナゲは面白いことに、2年毎に花を付ける。花の色が淡くて好ましい。
バイカウツギの蕾が膨らんで来た。会期中は丁度見頃になると思われる。工房のK・Kさんに本焼きをお願いした水差しが割れずに焼けたら、バイカウツギを活けたいと思っている。
ジギタリスに蕾が上がって来た。イワオウギも花序を伸ばしている。庭の南西の隅で、トリアシショウマも花序を上げて来た。チョウジソウの蕾が色付き始めた。一昨年秋に、日野在住のMIXY友Hさんに種をお送りしたが、今年花を付けたと一月近く前に、ブログに写真を載せられていた。初夏の花は、もう直き開いて来る。大きく広がったヤグルマソウの葉を除けたら、ナツエビネが芽を出していた。ヤグルマソウの葉を数枚切り取り、陽を当てて、水をたっぷり与えた。発芽がなくずっと気掛りだったので、嬉しい出来事。
3時過ぎに漸く取りかかっていた作品の裏打ちを終え、買物がてらの散歩に出かけた。南西のスーパーへの用件だったので、少し回り道をして、トチノキを見て来ることにした。何処の庭も色とりどりの花で賑わっている。冬に見付けた赤い枝の木を見に立寄った。枝の赤味は少し失せて、散形の花序に白い小さな花を咲かせていた。名称は分からない。
北の沢のトチノキを目指す。先日目にした花序の状態から少し早いかと危うんだが、幾分黄ばんだ白い花を開いていた。子供の頃、毎年秋に植物園でトチの実拾いをしたが、花は見ていない。個展で一月余滞在したブラティスラヴァのホテルの傍にもトチノキがあって実を拾い、衣服に隠して父への土産にしたことを思い出した。ズボンのポケットに入れ、何時も掌でコリコリと音を立てていたのを思い出す。
充分花を堪能して、遊歩道を南へ向った。途中の大木に絡んでいるイワガラミに蕾が付いていた。二番通りを渡り、中央の沢の東の遊歩道に入った。